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BCG、デジタル庁による「GIGAスクール構想についてのアンケート分析」まとめ

デジタル庁は「GIGAスクール構想についてのアンケート」を2021年7月に実施し、アンケートの分析レポートが9月3日デジタル庁ホームページで公開されました。

この記事では、GIGAスクール構想を紹介するとともに、ボストン コンサルティング グループ(以下、BCG)による「GIGAスクール構想についてのアンケート分析」のポイントをまとめました。

この記事でわかること
・GIGAスクール構想が目指すこれからの学校教育
・アンケートに寄せられた課題、前向きな声
・上記実現に向けた有識者からの提言

GIGAスクール構想とは

GIGAスクール、もしくは GIGAスクール構想を聞いたことがある方は多くいらっしゃると思いますが、GIGAスクールの”GIGA”とは何のこと、と聞かれて答えられるでしょうか?

GIGAは”Global and Innovation Gateway for All“の頭文字をとって作られた造語です。GIGAは学校教育のあり方、目指している姿を端的に表している言葉です。詳しくみていきます。

まず、GIGAスクールを理解する上で大事になってくるのが、学習指導要領の改訂です。新学習指導要領を覗いてみると、GIGAスクール構想の重要性がより明確になります。

GIGAスクール構想の基にある新学習指導要領

新学習指導要領は「なにを学ぶか」だけでなく、「どのように学ぶか」を重視しています。決して、知識の習得=whatを軽視しているわけではなく、お子さんが生きる力を身につけていく上でプロセス=howの視点を授業に取り入れていきます。具体的なhowとは主に3つです。

1.主体的に:好奇心・関心を基に自ら調べたり、考える
2.対話を通じて:個人ではなく、クラスメートや先生へ発表する、クラスメートの発表を取り入れたり、教師からフィードバックを受ける
3.深い学び:知識と知識をつなげて各教科を越えて学ぶ、さらに探究していく

いずれの点も読者の皆さまが生徒だった頃とは隔世の感があるのではないでしょうか。これらを実現する上でカギになるのがGIGAスクール構想です。いうならば、学習指導要領が学校教育のVision、GIGAスクール構想が学校教育の戦略、といったところです。

GIGAスクール構想で学校教育はどのように変わるのか?

それではGIGAスクール構想により何が行われるのか見ていきます。わかりやすい例は次のような学習環境の整備です。

1人1台の端末配布
こちらはニュースでも取り上げられており、読者の皆様もご存知だと思いますが、小中学校の児童・生徒へ一人一台のパソコンやタブレットが配布されています。

ICT環境の整備
端末配布と並行して、学校の通信環境を整備が進められています。授業で端末が活用できるように、ということです。

デジタル学習コンテンツ
教科書や参考書といえば紙冊子があたり前でしたが、学習コンテンツはデジタル化されて、書き物だけでなく動画も制作されています。

しかしながら、GIGAスクール構想は教科書・参考者や黒板がパソコン・タブレットに替わるというペーパーレス化、デジタル化が目的なのではなく、あくまで手段です。GIGAスクール構想により望まれる学習環境とは

1.児童・生徒へ個別最適化
従来の教育は教師がクラスの児童・生徒全員に同じ内容を説明する授業でしたが、GIGAスクールにおいては一人ひとりの学習状況やニーズに合った学習環境が与えられます。

2.学びの保障
多様性の時代にふさわしく「誰一人取り残すことなく」と明言しています。GIGAのAは”All”です。習熟度の違いをはじめ、全ての児童・生徒へより良い学習を目指しています。

3.教育現場へアナログとデジタルのベストミックス
従来の授業を一切否定するのではなく、ICTを活用して教師と児童・生徒の対話を促進し、双方向型の授業を実現します。教師にとっても児童・生徒一人ひとりの反応を確認しながらの授業が可能になります。

このようにICTを活用し、学校教育の質的な向上こそがGIGAスクール構想の本丸です。

しかしながら、GIGAスクール構想が目指す学校教育については道半ばです。小中高生と保護者、教員を対象に実施したアンケートより、課題の一部をご紹介します。

GIGAスクール構想についてのアンケート分析から見えてきた課題

アンケート分析から見えてきた代表的な課題は、以下のようなものです。

リテラシー:端末を使いこなせない

児童・生徒
1.端末の操作が難しい(特に小学校低学年)
2.端末の使い方で授業が終わる
3.持っていても活用されない授業が少なくない

教師
1.端末の使い方をはじめ、ICTに馴染みのない教員もいる
2.一部のICTが得意な先生に負荷が偏る
3.ただでさえ忙しく、ICTの活用研修に参加できない先生もいる
4.学校にICT専門職員を配置してほしい

保護者
1.学業とは関係ない端末の使用や誹謗中傷、危険なウェブサイトなど子供の情報リテラシーが心配
2.担任教師のICTリテラシー有無により活用度合いに差があり不公平

モラルとルール

1.端末を学業以外にも動画閲覧などで使用できてしまう、してしまう
2.端末で学習内容を調べようとしても、フィルターやブロックによってアクセスできないことがある
3.セキュリティポリシーを遵守しようとすると、活用が制限される
4.端末を学校から自宅へ持ち帰るのが禁止となっているケース

通信環境/端末

1.通信環境が脆弱で授業でクラス全員が接続したくてもできない
2.端末のスペックが足らないことがある
3.高校はGIGAスクール構想の対象外のため、特に環境整備が遅れている
4.学校だけでなく、各ご家庭の通信環境にも差がある

このように教育に携わる全ての方々、ご家庭及び学校、行政からの取り組みや試行錯誤が引き続き必要になります。新学習指導要領やGIGAスクール構想が間違っているのではなく、より良い教育を実現し、児童や生徒が生きていく力を身につけるための教育制度の変革期だということです。教育現場への環境整備や有形無形のサポートが望まれます。

また、先述のアンケートでは元気付けられる、前向きな声も多く寄せされています。

前向きな声

児童・生徒

1.タブレットを正しく使う、ルールを守る
2.個人情報や変なサイトなど気を付ける
3.授業や宿題でタブレットを使う
4.他校の授業やオンライン授業に活用する

教師

1.欠席の生徒に対しても端末を通じて学習機会を保障できる
2.教師同士で研修サークルを組んだり、研修にビデオミーティングで活用しています。

保護者の立場から

1.子供が学校を休んだ場合にも教育コンテンツを活用して勉強ができる
2.保護者への連絡など教師の負担軽減にICTがつながる

今後、通信環境が整備され、活用事例が普及することでICTの利活用へのハードルが下がると同時に、GIGAスクールによってもたらされる恩恵が大きくなっていくでしょう。

有識者ヒアリング

最後に、GIGAスクール構想にあたり有識者から指摘されているのが教育現場の人材不足、リソース不足です。この点は現場の教師からも負担に関する声が多く挙がっていることと根っこの実情は同じです。単に人員が足りないだけでなく、

・ICT利活用に長けた教師、職員の不足
・効率的な学校運営、デジタル化、事務作業の削減
・30-40人の生徒へ画一的ではない、個別最適な学習を提供することによる負担増
・新教科”情報(プログラミングを含む)“の必修化、及び大学入試への対応

このように学校を取り巻く課題は一朝一夕に解決できるものでなければ、一方からではなく全方位的に取り組むことが大切です。昨今、教職のブラック労働がメディアで報道されることがありますが、上記にあげた課題や教職員の状況を学校内だけで解決できるものとして捉えるのではなく、社会の課題として行政や家庭も含めて協力するものと考えることを禁じえません。

まとめ

そして、GIGAスクール構想や新学習指導要領におきましては、学習のSTEAM化を掲げています。学校の学びを社会課題の解決に生かす考え方です。個々の児童・生徒が自ら問いを立てることに始まり、情報の収集、分析、まとめや発表と一連の探究プロセスを教師のサポートのもと、ICTを使いこなして自ら進めていくところまで学習を発展させることが期待されています。絵に描いた餅ではなく、また一部の限られた層だけでなく、日本全国全てのお子さんが学習のワクワクを体験できるようになることがGIGAスクール構想の到達点です。

Study ValleyはGIGAスクール構想に賛同すると共に、経済産業省主導の「未来の教室 STEAMライブラリー」にプラットフォーム構築事業者として参加しております。STEAM教育を通じてSDGsに掲げられる社会課題の解決手法を学べるオンライン図書館です。どなたでも、いつでも、何度でもお持ちの端末から学習できます。

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