教育CSR

【事例あり】企業と高校生がコラボする方法とは?募集方法を解説!

販促戦略や教育CSR活動の一環として「高校生とコラボしてみたい!」と思ったことはないでしょうか?

しかし、コラボしようと考えた際、「実際にどのようなメリット・デメリットがあるのだろうか?」「具体的にどうやってコラボすれば良いのか?」といった疑問や課題があるのではないでしょうか?

そこで本記事では企業と高校生がコラボするメリット・デメリット、具体的な方法とその特徴、事例について解説していくので高校生とのコラボを考える際の参考にしましょう。

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企業と高校生がコラボするメリット・デメリット

企業が高校生とコラボすることには、多くのメリットがありますが、同時にデメリットも存在します。ここでは、高校生とのコラボを検討する際に参考になるよう、メリットとデメリットを詳しく解説します。

企業と高校生がコラボするメリット

 1.販促効果   
1つ目のメリットとしては、高校生とのコラボによる販促効果が考えられます。高校生はデジタルネイティブと呼ばれるSNSの活用が得意な世代です。企業が持っていない視点でSNSを使った販促を期待する事ができます。

また、高校生自身がプロジェクトに参加することで、口コミ効果も高まり、特に同年代の消費者に対して強力な影響力を持ちます。

さらには「高校生とコラボした」商品は消費者にとって商品・ブランドに付加価値がつき販促につながります。

 

 2.トレンドを捉えることができる  
高校生は最新のトレンドに非常に敏感です。コラボを通じて高校生と商品を作り上げる中で、企業は市場の変化や新しいトレンドを早期にキャッチすることができます。

例えば、ファッションブランドが高校生を対象にしたデザインコンテストを開催し、アイデアを新アイテムに反映させた結果、若年層に大ヒットしたという事例があります。

また、高校生は柔軟な発想力と独自の視点を持っています。コラボする中で、企業にとって新しいアイデアや革新的な解決策を得る絶好の機会となるでしょう。

 

 3.教育CSRにつながる  
一般的に、高校生とのコラボは、企業の社会的責任(CSR)活動の一環として高く評価されます。教育分野での貢献は、企業のブランドイメージを向上させるだけでなく、地域社会との関係強化にも寄与します。教育CSRについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしましょう。

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 4.将来の人材育成  
高校生とのコラボは、企業にとって人材育成の観点からもメリットがあります。高校生が企業と早期に関わることで、キャリア教育につながり、将来的な採用を見込むことができます。

また、企業としても、コラボを通じて若い世代の価値観を理解することで、若手社員の理解につながります。

企業と高校生がコラボするデメリット

 1.費用対効果が合わない可能性がある  
高校生とのコラボにおいて、コストがかかることがデメリットとして考えられます。費用対効果が見込みにくい場合が多くあり、高校生とコラボする場合には、中長期的に効果をとらえ、教育CSR活動としてのコラボを検討することも有効です。

また、コストは費用面だけではなく、人的にもコストがかかります。コラボのための活動をしている間は、通常の業務ができない場合や、通常とは別に人手を確保しなければならないため、最初にかかる費用に対しての効果を考える必要があります。

 2.情報漏洩や責任問題などの発生リスクがある    
高校生とのコラボでは、法的、倫理的な配慮が必要です。高校生は未成年であるため、企業はリスク管理を徹底する必要があります。安全対策や労働時間の管理など、法律に則った対応が求められます。

高校生の心身の安全はもちろん、情報漏洩のリスクや責任問題など、あらゆるリスクに対して対策を考える必要があります。

そのような配慮しながらコラボを考える必要があります。しかし、その労力に対して効果が見られない場合があり、最初にバランスを考える必要があります。

表解説!企業✖︎高校生コラボ募集の方法の特徴

高校生のコラボを募集する際にはどのような募集の方法があるのでしょうか?この記事では募集方法を5つに分類し、それぞれの特徴をまとめているので参考にしましょう。

募集方法特徴
1.自社で募集する自社のHPやSNSで広く募集をかける方法。多くの応募者を集め、企業の課題を直接解決するアイデアを得やすいが、コストがかかる。
2.コラボ先を探している学校に問い合わせる地域の高校や商業高校団体に直接問い合わせてコラボ相手を見つける方法。高校側の意欲が高いが、企業の意図が通りにくいことがある。
3.探究活動としてコラボする高校の探究活動に企業が協力する方法。生徒の主体性が高く創造的な解決策が期待できるが、企業のニーズとずれる可能性がある。
4.高校生とコラボするインターンシップを開催する課題解決型インターンシップを通じて高校生とコラボする方法。企業の課題解決に直結するが、費用や人件費のコストが高い。
5.職場体験としてコラボするプログラムを作る地元の高校と連携して職場体験プログラムを実施。地域との関係強化が図れるが、キャリア教育が主目的で柔軟なコラボが難しい。

 

以上のような5つの募集方法について以下で詳しく解説しているので、詳細を知りたい募集方法について参考にしましょう。

企業が高校生とのコラボを募集する方法

高校生と企業のコラボを募集するには大きく分けて5つの方法があります。本章では、それぞれの募集方法について深掘りしていくので参考にしましょう。

1.自社で募集をする

1つ目は、企業が自社のホームページやSNSを活用して、高校生とのコラボを募集する方法です。コンテスト形式でアイデアを募集することも多く、多くの高校生からクリエイティブな発想を引き出すことができます。

   メリット    

  • 多数の募集をかけることができる
    インターネットを活用することで、広範な応募者を集めることが可能になります。特にSNSや企業の公式サイトを通じて募集を行えば、多くの高校生にリーチできます。
  • 企業が抱える課題をダイレクトにコラボで解決できる
     募集要項に企業の具体的な課題を明示することで、高校生から直接的な解決策やアイデアを得ることができます。これにより、コラボの目的に合った提案を引き出せます。

   デメリット   

  • コストがかかる
    広告費、運営費、審査費用など、募集を行うためのコストがかかります。特にコンテスト形式の場合、賞金や関係者への謝礼も必要となるため、予算の確保が重要です。

 

2.コラボ先を探している学校に問い合わせる

2つ目は、地域の高校や商業高校の団体に直接問い合わせて、コラボレーションの相手を見つける方法です。コラボを募集している高校の目的はそれぞれ異なりますが、共通点として、それぞれコラボしたい意識が強い事が挙げられます。

 メリット   

  • 高校側のコラボしたい思いが強い
    高校側が積極的にコラボレーションを求めているため、お互い意欲的に関係を築くことができます。特に実業系などに多く、作りたいものが先行し、その目的を達成する方法として企業とのコラボを探しています。
  • ベクトルが合えば良いコラボをすることができる
     企業の目標と高校の教育目標が一致すれば、双方にとって有益なコラボになります。ベクトルを合わせた上で、相互の理解と協力が必要不可欠です。

 デメリット   

  • 高校側の要望が強く、企業側の意図が通らないことが多い
    高校のカリキュラムや教育方針に基づく要望が強いため、企業の意図や目標が必ずしも反映されないことがあります。双方の学習と利害関係の調整が必要になります。

問い合わせる学校を探す際に、高校がどのようなニーズを持っているのかを確認しましょう。学校からコラボ先を探す場合、多くの場合、コラボする目的がはっきりしており、目的達成の方法としてコラボを募集しています。そのため、その学校の目的と目的は合致しているのかを確認する必要があるでしょう。

例えば、工業高校や農業高校、商業高校など、専門性の高い高校では、それぞれの業種でコラボを志望する学校も多くあります。例えば商業高校では、以下のように全国商業高等学校協会が高校と企業とのコラボ商品を掲載しています。以下のページに載っている高校へのオファーも有効となるでしょう。

全国商業高等学校協会:商品開発プロジェクト

引用元:https://zensho.or.jp

全国商業高等学校協会では、高校生がアイデアを出し合い、商品開発に取り組んでいる事例を紹介するページを作成しています。このページは高校生と企業のコラボレーションによって共生社会の実現に寄与、地域活性化に役立つ活動を行う「商品開発プロジェクト」の推進のために作成されており、全国のさまざまなコラボ商品を掲載しています。

掲載は高校側からの依頼によるものなので、コラボする意欲の高い高校がこのサイトからも確認できます。具体的にどのような商品がコラボされているかも参考になるので、以下のページを閲覧してみましょう。

生徒がつくる!企業との商品開発プロジェクト

3.探究活動としてコラボする

3つ目は、探究活動としてコラボする事です。近年高校では、探究活動が盛んになってきており、その過程で企業と協力して探究する高校が増えています。探究活動では生徒が見出した問いのもとに生徒自身が解決策を模索します。その過程で過程で企業とコラボしています。企業が抱える活きた課題に生徒が取り組むことで生徒がより現実社会に寄り添った探究活動をする事ができます。

企業が抱える課題をうまく高校生に提供できれば、高校生の学習、企業が考えるコラボの目的をどちらとも満たす事ができます。

 メリット   

  • 主体的な生徒が多く、課題意識が高い
    探究活動では、生徒が自ら課題を見出し、解決に向けて積極的に行動します。そのため、企業とのコラボにおいても主体的に取り組む姿勢が期待できます。
  • 創造的な解決策が生まれやすい
    探究活動を通じて生徒が自由な発想で取り組むため、企業にとっても新しいアイデアや斬新な解決策が生まれる可能性が高いです。

 デメリット   

  • 共同したい部分がずれる可能性がある
    生徒の興味や関心に基づく活動のため、企業が求める具体的な成果や方向性と一致しないことがあります。コラボの目的や目標を明確にし、どのような課題を高校生に投げ掛ければ良いか調整する必要があります。

とはいえ、学校、企業ともに調整が難しいのが現実であるため、近年は、企業探究をサポートする取り組みが行われています。

例えば宮崎県ではテレビ宮崎株式会社Study Valleyが協業で、地域企業と学校をつなげるための地域密着型「ひなた探究」をサポートしています。

4.高校生とコラボするインターンシップを開催する

4つ目はインターンシップとしてコラボする方法です。近年、高校生のインターンシップも盛んに行われています。その中で課題解決型のインターンシップとして、高校生とコラボする形があります。企業がプログラムを考え、それに高校生が参加する形式です。企業側の負担は大きいものの、コラボしたい目的を確実に達成する事ができます。

 メリット   

  • 企業が解決したい課題を高校生に取り組ませることができる
    インターンシッププログラムを企業の目的に合わせてつくる事ができるため、企業が直面している具体的な課題に高校生が取り組むことができます。これにより、より効果の高いコラボを実現する事ができます。
  • 教育的価値を提供できる
    インターンシップを通じて高校生に実務経験やスキルを提供することで、その企業オリジナルの教育的価値を提供することができます。これにより、効果の高い企業の社会的責任(CSR)活動を行う事ができます。

 デメリット   

  • 費用面、人件費のコストがかかる
    インターンシップの運営には、プログラムの設計や管理、指導者の配置などに費用がかかります。また、参加者へ交通費の支給など諸経費が必要となるため、予算とノウハウの確保が重要になります。

高校生インターンシップに関しては以下の記事を参考にしましょう。

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5.職場体験の中でコラボするプログラムを作る

5つ目は職場体験の中でコラボするプログラムを作る方法です。近年キャリア教育の一環として、多くの高校が地元企業が連携して、職場体験を行っています。その中で、高校生とコラボすることも可能です。しかし、条件が高校側から設けられている事が多く、コラボに向けた準備が必要です。

 メリット  

  • 地元の高校と連携して確実に高校生を受け入れることができる
    地元の高校が主体となるプログラムであるため、確実に高校生を受け入れることができます。また、募集定員に対して高校が生徒の希望をもとに振り分けるため、比較的に意欲の高い生徒を必要数受け入れる事ができます。
  • 地元の高校と長期的なを構築できる
    職場体験は定期的に開催される事が一般的です。そのため、継続的な職場体験プログラムを通じて、地元の高校と長期的な関係を構築することができます。これにより、地域社会に対する企業の貢献度が高まり、ブランドイメージの向上にも寄与します。

 デメリット  

  • キャリア教育としての職業体験がメインであるため、想定しているコラボを実施できない可能性がある
    職場体験の最大の目的はキャリア教育であるため、企業が期待するようなコラボが実現しない場合があります。プログラムの内容や期間が指定されたり、柔軟性に欠ける場合があり、限られた条件の中でうまくコラボしていく必要があります。

企業と高校生がコラボした事例3選

高校生と企業がコラボするにはさまざまな方法をとることができました。ここでは、4つのコラボ事例から、実際にどのようにコラボを募集したのか、どのようなコラボをしたのかを紹介するので参考にしましょう。

事例1株式会社ポポラマーマ

ゆであげ生パスタ専門店「ポポラマーマ」を展開する株式会社ポポラマーマは株式会社Study Valleyのサポートのもと、東京都立篠崎高等学校と探究学習としてコラボしました。このコラボでは、江戸川区の地域課題に取り組み、新たな魅力創生につながるオリジナルプラン作成を目指す、地域探究を行いました。探究学習では、株式会社ポポラマーマが専門家として目線からフィードバックを行ったり、生徒とディスカッションをする中で、さまざまなアイデアを生む事ができました。探究学習の中で以下のようなテーマが課題として生まれ、最終的に成果発表会にてコラボした探究の成果が発表されました。

生パスタを使った新メニュー開発
時と場所を鑑みた広告宣伝アイディア
食材ロスを減らすアイディア

東京都立篠崎高等学校、株式会社ポポラマーマ・農業経営者クラブと江戸川区の魅力を創生するオリジナルプランを提案!6月15日(水)12:55~東京都立篠崎高等学校、地元企業らとともに、江戸川区の魅力を創生するオリジナルプランを提案!6月15日(水)株式会社ポポラマーマ、農業経営...

事例2株式会社大戸屋

定食チェーン「大戸屋ごはん処」を全国に展開している株式会社大戸屋は、NPOカタリバのサポートのもと、福島県立ふたば未来学園高校の生徒と、実際に店舗で販売するメニューを開発する「子どもの学び応援プロジェクト」に取り組みました。

引用元:https://www.katariba.or.jp/magazine/article/report190418/

事例3ツジセイ製菓

香川県のお土産菓子メーカーツジセイ製菓株式会社は、自社で「香川の新土産を生み出す”産学官連携プロジェクト」を企画し、地元香川の高松商業高校とコラボし、「香川の美味しい苺『さぬきひめ』をもっと全国の人に知って欲しい!味わってほしい!」という想いのもとさぬきひめの雫を商品開発しました。

引用元:https://tsujisei.co.jp/news/%E7%94%A3%E5%AD%A6%E5%AE%98%E9%80%A3%E6%90%BA%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%EF%BC%8F%E9%AB%98%E6%9D%BE%E5%95%86%E6%A5%AD%E9%AB%98%E6%A0%A1x%E3%83%84%E3%82%B8%E3%82%BB/

TimeTactを使って探究学習としてコラボ!

コラボを募集する方法やコラボ事例についてイメージがついてきたのではないかと思います。しかし、実行することを考えると、高校生とのコラボはどうしてもハードルが高いのではないでしょうか?

ここでは、高校生と企業のコラボを実現を図ることのできるTimeTactのサービスを紹介するので導入を検討して見ましょう。

以下の動画は宮崎県でTimeTactを使用した取り組みについての動画です。

Time Tactで高校生とコラボするまで

①企業の課題のヒアリング
Study Valleyが企業の生きた課題をヒアリングし、高校生の探究学習のコンテンツにつなげます。その際、高校生と共に解決したい課題をピックアップし、高校生とのコラボにつなげます

②コラボ内容となる課題をコンテンツ化
TimeTactは高校の「総合的な探究の時間」で使用され、高校生はTimeTactに掲載されている課題をもとに探究活動を進めます。コラボを考える際に、高校生のレベル感がわからないという悩みも、専門スタッフが高校生が考えやすいようにコンテンツ化するため解消され、より効果の高いコラボが実現できます。

③コラボのサポート
探究学習で学習される中で様々なサポートが入ります。例えばコラボ商品を開発する際には、その連絡調整をStudy Valleyがサポートしています。また、アイデア提案などは、様々な探究成果発表の機会を設け企業と高校生が関わる機会を提供されています。

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企業と高校生のコラボの効果を高めるには


企業と高校生がコラボレーションする際、その効果を高めるためには、いくつかの重要なポイントがありました。まず、コラボの意義を明確にすることが必要です。企業が何を達成したいのか、高校生にどのような教育的価値を提供するのかを明確にすることで、同じ目標に向かって進むことができます。

また、コラボの募集方法を工夫することも重要です。例えば、自社で広く募集をかける方法は、多くのアイデアを集めることができますが、費用がかかるため、予算の確保が必要です。一方探究活動やインターンシップとしてのコラボは、高校生の主体性を引き出し、実践的な学びを提供する絶好の機会となりますが、企業の具体的なニーズと一致しないことも考慮する必要があります。

このように、企業と高校生のコラボレーションの効果を高めるためには、意義を明確にし、目的に応じたコラボの募集方法を選び、プログラムを工夫することが重要です。

高校/学校の探究担当の先生向け探究学習支援サービス『TimeTact』 CSRの枠を超えた教育投資『TimeTact』

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【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。