2024年7月20日、福岡県内3つの高校、3つの企業が参加し、「とびうめ探究キャンプ」が開催されました。
今回のキャンプでは、高校生と企業が協働して、地域・社会の課題を探究する効果的な「テーマ」を100分間で見つけることを目標として活動が行われました。
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活動概要
現在、全国の高校生が取り組む探究活動ですが、「良い探究活動」を実現するには様々なハードルがあります。しかし、高校生にとっては、いきなりそのハードルを越えることは難しいでしょう。そこで、今回の「とびうめ探究キャンプ」では、そのハードルの一つである「テーマ」の設定に着目しました。
その「テーマ」の設定ですが、探究活動において最重要ポイントと言っても過言ではありません。というのも、テーマが探究活動全体の軸となり、この難易度や実現可能性の程度によって探究の質が左右されるからです。
今回の活動概要は以下の通りです。
開催概要 | 開催日:2024年7月20日(土) 方法:オンライン(Zoom) |
参加企業 (順不同) | 福岡酸素株式会社(以下、福岡酸素) 株式会社西日本シティ銀行(以下、西日本シティ銀行) 不二精機株式会社(以下、不二精機) |
参加学校 (順不同) | 学校法人福原学園自由ケ丘高等学校 福岡県立八女高等学校 福岡県立八幡中央等学校 |
実施内容 |
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実施のねらい | 高校生と企業が協働して、地域・社会の課題を探究する効果的な「テーマ」を見つける 生徒:企業の知見を学び地域・社会の課題にアプローチする事で、実践的な探究スキルを身につける 企業:自社の知見を元にアドバイスを行うことで、未来を担う若者の育成に貢献する |
テーマ設定のポイントの講義をもとに、参加した高校生は企業と共にテーマ設定、ブラッシュアップしました。本イベントでは、100分間という限られた時間の中で、様々なテーマを生むことができました。
「とびうめ探究キャンプ」での学び
本イベントにおいて、参加した高校生は主に2つの「テーマ」の設定のポイントを学習しました。
1良いテーマの条件
まず、「テーマ」設定のポイントとして良いテーマの基準を学習しました。前述した通り、探究活動の成功には良いテーマを設定することが不可欠です。講義の中では以下の2つの基準で考えることの重要性を学習しました。
基準
- 「どうなるんだろう」とワクワクする/知りたいと強く思うこと
- 難しすぎない、簡単すぎない。具体化されていること
2企業の協力の重要性
次に「テーマ」設定のポイントとして企業の協力の重要性を体験しました。
探究学習では、自らが見つけた課題をもとにテーマを設定します。しかし、課題について専門知識や経験が少ない高校生にとって、現実味のある課題を設定することは難しいのが現状です。そこで、「その課題に向き合っている企業と協力することで良いテーマにできる」ということを本イベントにて体験しました。
「とびうめ探究キャンプ」イベントの様子(一部)
本イベントでは参加した高校生が9つのグループに分かれ、他校の生徒、ファシリテーターと共に福岡の地域課題について「テーマ」の設定にチャレンジしました。
本記事では「投資の浸透」に取り組んだグループについて紹介します。
STEP1:地域・社会の課題を知る
STEP1として「投資が浸透しない理由 」を知る活動を行いました。課題に対する興味や関心のあることを共有し、探究したい課題についてチーム内で検討しました。
検討をもとに、「投資が浸透しない理由 」に取り組む西日本シティ銀行の方々に質問をし、さらに課題に対しての理解を深めました。
STEP2:課題について深掘りする
STEP2では実際に探究のテーマを考えました。
STEP1の質問への回答をもとに、さらに課題について深掘りをしました。活動では、テーマ設定に向けてよりリアルに考えるべく、どのようなターゲットにするのか決定、さらには仮説の設定を行いました。
その後、設定したターゲットと仮説について西日本シティ銀行の方々にフィードバックいただきました。
STEP3:課題をもとにテーマを設定する
STEP3では、STEP2でいただいたアドバイスをもとに、さらに詳細にテーマ設定を行いました。テーマを具体的に設定したことで、アドバイスもより具体的なものとなり、テーマがより良いテーマとなりました。
このイベントを通して、参加した生徒はテーマ設定のポイントや探究活動において企業との協力の大切さを学ぶことができました。
「とびうめ探究キャンプ」に参加した企業・生徒の感想
本イベントに参加した企業・高校生から様々な感想が届きました。その一部を紹介します。
「とびうめ探究キャンプ」に参加した企業の感想
様々な業種の企業様から、業種ならではのご意見や、探究学習について前向きなご意見をいただきました。
参加企業の感想(一部)
- 実際に課題に取り組み調べることで、興味関心がうまれると思うので、探究の授業はとても良い機会になると思った。
- 色々な視点で疑問を率直に聞いてきた点が非常に企業側としてもよかった。
- 企業側が提示しているテーマだけではなく、会社の様々な活動に参考になる意見があり、有意義だった。
- 高校生の旺盛なアイデアと探究心に触れフレッシュな気持ちになった
「とびうめ探究キャンプ」に参加した生徒の感想
高校生にとっては難しい部分もありましたが、グループの探究活動や企業の方々とのコミュニケーションを通して新たな視点や価値観を身につけることができた生徒も多くいました。
参加した生徒の感想(一部)
- 様々な視点や立場で物事を考える大切さを学んだ。
- 他校の人たちの様々な意見を聞きながら、企業の方の有力な情報を伺うことができ。また、とても楽しかった。
- 疑問を相手の意見から探したり相手の意見を自分の意見に活かせるか考えることが大切だと考えた。
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【この記事の監修者】
田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。