採用戦略

Z世代が共感する企業の存在意義の伝え方

「給与や知名度」だけでは響かない。Z世代が本当に共感する企業の”存在意義”の伝え方

かつて企業選びの基準といえば、「給与の高さ」「企業の知名度」「福利厚生の充実」が三大要素でした。しかし、1990年代後半から2000年代初頭に生まれたZ世代にとって、これらの要素はもはや決定打にはなりません。彼らが真に求めているのは、企業がなぜ存在し、社会にどのような価値を提供しているのかという「存在意義(パーパス)」なのです。

株式会社ディスコの調査によると、2020年から2021年にかけての新卒採用において、就職先企業を選んだ基準として「社会貢献度の高さ」が3年連続で1位という結果が出ています。また、電通の「Z世代就活生 まるわかり調査2025」では、約半数の学生が就活中に企業イメージの悪化を経験し、特に面接時の印象が大きく影響していることが明らかになりました。

このような時代の変化に対応できない企業は、優秀な人材を獲得する機会を逸してしまうでしょう。本記事では、Z世代が共感する企業の存在意義の伝え方について、最新の調査結果と成功事例を交えながら解説します。

Screenshot
高校/学校の探究担当の先生向け探究学習支援サービス『TimeTact』 CSRの枠を超えた教育投資『TimeTact』

【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。

現在、探究に関する無料相談会を開催中です。探究へのICT活用や外部連携にご興味ある方、お気軽にご連絡下さい。ご予約はこちら(2024年3月現在、問い合わせが急増しております。ご希望の方はお早めにご連絡ください)。

【企業のCSR広報ご担当者様へ】
CSR広報活動の強い味方!
探究教育を通して、学校と繋がるさまざまなメリットを提供しています。


まずはお気軽に「教育CSRサービスページ」より資料をダウンロードください。
また無料相談も可能です。些細なご相談やご質問、お見積りなど、お気軽にご相談ください。

なぜZ世代は「存在意義」を重視するのか?その背景にある3つの要因

Z世代が企業の存在意義を重視する背景には、彼らが育った時代環境が大きく影響しています。以下、3つの主要な要因を詳しく見ていきましょう。

1. デジタルネイティブとしての情報リテラシー

Z世代は生まれながらにしてインターネットが存在し、SNSや動画コンテンツを活用することが当たり前の環境で育ちました。彼らは企業の公式情報だけでなく、SNSや企業レビューサイト、社員の口コミなど、多角的な情報源から企業の実態を把握しようとします。

表面的な広告やPRだけでは彼らを納得させることはできません。企業の行動と発信内容に矛盾があれば、すぐに見抜かれてしまうのです。

2. 社会問題への高い関心

Z世代は環境問題、人権問題、地域貢献などの社会課題に強い関心を持っています。2015年の国連サミットでSDGsが採択されて以来、持続可能な社会の実現は世界的な課題となっていますが、Z世代はまさにこの流れの中で価値観を形成してきた世代です。

東日本大震災などの大規模災害も経験し、人や環境の持続可能性を身をもって理解している彼らにとって、企業がSDGsやESGへの取り組みをどのように行っているかは、就職先の判断軸として極めて重要な要素となっています。

3. 「働く意味」を問い直す価値観の変化

リーマンショックや新型コロナウイルスなど、経済的な不安定さを目の当たりにしてきたZ世代は、単なる経済的な安定だけでなく、「なぜその仕事をするのか」という意味を重視します。

彼らにとって仕事は人生の一部であり、自己実現や社会貢献の手段でもあります。そのため、企業が掲げる存在意義と自分の価値観が一致するかどうかが、キャリア選択の重要な判断基準となっているのです。

パーパス(存在意義)とは何か?ミッション・ビジョンとの違い

ここで、「パーパス」という概念について整理しておきましょう。パーパス(Purpose)とは、企業がなぜ存在するのか、社会にどのような価値を提供するのかを示す「存在意義」のことです。

従来の企業理念との違い

  • ミッション:企業が日々果たすべき使命(WHAT)
  • ビジョン:企業が目指す将来の姿(WHERE)
  • パーパス:企業がなぜ存在するのか(WHY)

パーパスは「私たちはこうなりたい」という将来に向けた意思表明ではなく、「社会から見て私たちはこのような存在である」という、現在の社会における位置づけを明確にするものです。

なぜ今、パーパスが重要なのか

投資家の評価基準も変化しています。従来の財務指標だけでなく、ESG(環境・社会・ガバナンス)の観点から企業を評価する動きが強まっており、企業の社会的価値が経済的価値と同等に重視される時代になりました。

若年層が就職先を選ぶ際に社会貢献度や企業文化を重視する傾向は、今後さらに強まることが予想されます。優秀な人材を確保し、事業を持続的に成長させるためには、明確なパーパスの策定と浸透が不可欠なのです。

Z世代に響かない「古い採用メッセージ」の3つの特徴

多くの企業が陥りがちな、Z世代に響かない採用メッセージの特徴を見ていきましょう。

1. 数字や規模ばかりを強調する

「売上高○○億円」「従業員数○○人」「業界シェアNo.1」といった数字の羅列は、もはやZ世代の心を動かしません。彼らが知りたいのは、その数字の裏にある「なぜ」と「どのように社会に貢献しているか」です。

2. 抽象的で具体性に欠ける理念

「お客様第一主義」「イノベーションの創造」といった抽象的な言葉の羅列も効果的ではありません。Z世代は具体的な事例やストーリーを通じて、企業の本質を理解しようとします。

3. 一方的な「入社メリット」の押し付け

高い給与や充実した福利厚生をアピールするだけでは不十分です。Z世代は「その企業で働くことで、自分がどのように成長し、社会にどのような価値を提供できるのか」を重視しています。

Z世代が共感する「存在意義」の伝え方:5つの実践的アプローチ

では、どのようにすればZ世代に企業の存在意義を効果的に伝えることができるのでしょうか。以下、5つの実践的なアプローチを紹介します。

1. ストーリーテリングで「WHY」を語る

数字や実績を並べるのではなく、なぜその事業を行っているのか、どのような社会課題を解決しようとしているのかをストーリーとして語ることが重要です。

例えば、ある食品メーカーが「食と健康の課題解決」をパーパスに掲げている場合、単に「健康に良い商品を作っています」と言うのではなく、「高齢化社会において、おいしく食べながら健康を維持できる社会を実現するため、私たちは○○という技術を開発しました」といった具体的なストーリーを伝えることが効果的です。

2. 社員の声を通じた「リアル」の発信

Z世代は企業の公式発信よりも、実際に働く社員の生の声を重視します。SNSや動画を活用して、社員が日々どのような想いで仕事に取り組んでいるかを発信することが重要です。

  • Instagram:職場の雰囲気や社員の日常を短い動画で紹介
  • YouTube:社員インタビューや1日密着動画
  • Twitter:社員による仕事の気づきや学びの共有

3. 社会貢献活動の「見える化」

CSR活動やSDGsへの取り組みを、具体的な数値やビジュアルで示すことが大切です。ただし、「SDGsウォッシュ」と批判されないよう、本業を通じた社会課題解決の取り組みを中心に発信しましょう。

例:

  • 環境負荷削減の具体的な数値と達成プロセス
  • 地域社会への貢献活動とその成果
  • ダイバーシティ&インクルージョンの推進状況

4. 双方向コミュニケーションの重視

一方的な情報発信ではなく、Z世代との対話を通じて相互理解を深めることが重要です。

  • オンライン座談会やQ&Aセッションの開催
  • SNSでの質問への丁寧な回答
  • インターンシップでの対話型プログラムの実施

5. 長期的な視点での関係構築

Z世代は就職活動を始める前から企業の情報を収集しています。高校生の探究学習への協力や、大学低学年向けのキャリア教育プログラムの提供など、早期から接点を持つことで、企業の存在意義を深く理解してもらうことができます。

Study Valley TimeTactが実現する、新しい企業価値の伝え方

ここまで見てきたように、Z世代に企業の存在意義を伝えるためには、従来の採用広報の枠を超えた取り組みが必要です。そこで注目されているのが、高校生の探究学習を通じた企業理解の促進です。

なぜ探究学習が効果的なのか

高校の「総合的な探究の時間」では、生徒たちが自ら課題を設定し、解決策を探る学習が行われています。この過程で企業と連携することで:

  • 生徒は企業の事業内容や社会的価値を深く理解できる
  • 企業は早期から将来の人材候補と接点を持てる
  • 実際の社会課題解決に取り組むことで、企業の存在意義を体感してもらえる

Study Valley TimeTactの3つの特徴

1. 全国60万人以上の高校生が利用するプラットフォーム
圧倒的なリーチ力により、幅広い層の生徒に企業の存在意義を伝えることができます。

2. 探究学習に特化した教育支援システム
単なる企業PRではなく、教育的価値の高いコンテンツとして企業の取り組みを紹介できます。

3. 長期的な関係構築が可能
高校時代から企業を知ってもらうことで、大学進学後の就職活動時には既に深い理解と共感を持った状態でアプローチしてもらえます。

導入企業の声

「従来の採用広報では伝えきれなかった、私たちの事業の社会的意義を、高校生の探究活動を通じて理解してもらえました。結果として、企業理念に深く共感した意欲的な学生からの応募が増加しています」(製造業・人事部長)

まとめ:存在意義の明確化と継続的な発信が、Z世代採用の鍵

Z世代が求めているのは、給与や知名度といった表面的な要素ではなく、企業がなぜ存在し、どのように社会に貢献しているのかという本質的な価値です。

企業の存在意義を効果的に伝えるためには:

  1. 明確なパーパスの策定と社内浸透
  2. ストーリーテリングを活用した共感の獲得
  3. SNSや動画を活用した透明性の高い情報発信
  4. 社会貢献活動の具体的な可視化
  5. 早期からの接点構築による深い理解の促進

これらの取り組みを通じて、Z世代との真の信頼関係を構築することが、これからの採用成功の鍵となります。Study Valley TimeTactのような新しいアプローチを活用することで、従来の採用広報では実現できなかった、深い企業理解と共感の獲得が可能になるでしょう。

企業の存在意義を明確にし、それを継続的に発信していくこと。それが、Z世代から「選ばれる企業」になるための第一歩なのです。

高校/学校の探究担当の先生向け探究学習支援サービス『TimeTact』 CSRの枠を超えた教育投資『TimeTact』

【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。

現在、探究に関する無料相談会を開催中です。探究へのICT活用や外部連携にご興味ある方、お気軽にご連絡下さい。ご予約はこちら(2024年3月現在、問い合わせが急増しております。ご希望の方はお早めにご連絡ください)。

【企業のCSR広報ご担当者様へ】
CSR広報活動の強い味方!
探究教育を通して、学校と繋がるさまざまなメリットを提供しています。


まずはお気軽に「教育CSRサービスページ」より資料をダウンロードください。
また無料相談も可能です。些細なご相談やご質問、お見積りなど、お気軽にご相談ください。

【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。