Z世代に「この会社で働きたい」と思われるために、人事が今から投資すべき領域
2025年現在、就職活動の主役は完全にZ世代(1997年~2012年生まれ)となりました。しかし、多くの企業の人事部門は「Z世代の価値観がわからない」「従来の採用手法が通用しない」という悩みを抱えています。給与や福利厚生だけでは響かず、知名度の高い大企業でも優秀な人材の獲得に苦戦しているのが現実です。では、Z世代に「この会社で働きたい」と思ってもらうために、人事部門は今、どこに投資すべきなのでしょうか。本記事では、Z世代の価値観を踏まえた戦略的な投資領域について解説します。

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Z世代が企業選びで重視する「新しい基準」
まず、Z世代が企業を選ぶ際の判断基準が、従来世代とは大きく異なることを理解する必要があります。株式会社マイナビの調査(2024年)によると、Z世代が就職先選びで重視する要素のトップ5は以下の通りです。
従来の採用アピールが効かない理由
興味深いことに、「給与・待遇」は5位以下に位置しています。Z世代が最も重視するのは以下の要素です。
- 社会的意義(72.3%):自分の仕事が社会にどう貢献するか
- 成長機会(68.9%):スキルアップや学習の機会があるか
- 価値観の一致(65.4%):企業理念に共感できるか
- 柔軟な働き方(61.2%):ワークライフバランスが保てるか
- 透明性(58.7%):企業の意思決定プロセスが見えるか
情報収集方法の変化
また、Z世代の企業情報収集方法も特徴的です。採用サイトやナビサイトよりも、SNSや口コミサイトを重視する傾向があります。特に以下のチャネルが影響力を持っています。
- 社員のSNS投稿や日常の発信
- インターンシップ参加者のリアルな体験談
- YouTubeやTikTokでの企業紹介動画
- 高校・大学での企業連携プログラムの経験
人事が今すぐ投資すべき5つの領域
Z世代の価値観を踏まえ、人事部門が戦略的に投資すべき領域を具体的に解説します。
1. 高校段階からの長期的な関係構築
投資の必要性:Z世代は高校時代から将来のキャリアを意識しており、「総合的な探究の時間」で企業研究を行っています。この段階から接点を持つことで、深い企業理解と愛着を醸成できます。
具体的な投資内容:
- 高校の探究学習支援プログラムの開発・運営
- 社員を講師として派遣する出張授業の実施
- 高校生向けの企業見学・体験プログラムの設計
- 探究学習のテーマ提供とメンタリング
期待される効果:早期からの接触により、企業理念や事業内容への深い理解が生まれ、ミスマッチの少ない採用につながります。
2. 社会的インパクトの可視化とストーリーテリング
投資の必要性:Z世代は「自分の仕事が社会にどう貢献するか」を重視します。しかし多くの企業、特にBtoB企業は、この点のアピールが不十分です。
具体的な投資内容:
- 事業の社会的価値を伝えるコンテンツ制作
- SDGsとの関連性を明確にしたストーリー開発
- 社員一人ひとりの仕事の意義を伝える動画制作
- 社会課題解決の実績を数値化・可視化するツール
期待される効果:企業の存在意義が明確になり、Z世代の共感を得やすくなります。
3. 従業員体験(EX)の抜本的な改革
投資の必要性:Z世代は入社後の成長機会と働き方の柔軟性を重視します。これらを実現する職場環境の整備が不可欠です。
具体的な投資内容:
- 個人の成長を支援する研修・教育プログラム
- メンター制度やコーチング体制の構築
- フレックスタイムやリモートワーク環境の整備
- 心理的安全性を高める組織文化の醸成
期待される効果:働きやすく成長できる環境は、採用時の大きなアピールポイントになり、入社後の定着率も向上します。
4. デジタルネイティブに響く採用コミュニケーション
投資の必要性:従来の採用広告や説明会だけでは、デジタルネイティブのZ世代には届きません。彼らが日常的に利用するチャネルでの発信が必要です。
具体的な投資内容:
- SNSを活用した日常的な情報発信体制
- 社員インフルエンサーの育成と支援
- VRやARを活用した職場体験コンテンツ
- AIチャットボットによる24時間質問対応
期待される効果:Z世代の情報収集行動に合わせたアプローチにより、企業認知度と好感度が向上します。
5. データドリブンな採用戦略の構築
投資の必要性:Z世代の価値観や行動は多様で変化も速いため、データに基づいた戦略立案が欠かせません。
具体的な投資内容:
- 採用マーケティングツールの導入
- 応募者の行動データ分析システム
- 採用後のパフォーマンス追跡と相関分析
- Z世代の価値観調査と定期的なアップデート
期待される効果:効果的な採用チャネルや訴求ポイントが明確になり、投資対効果の高い採用活動が実現します。
投資効果を最大化するための実践的アプローチ
上記の投資を効果的に進めるための、実践的なアプローチを紹介します。
段階的な投資計画の策定
すべての領域に一度に投資することは現実的ではありません。自社の課題と優先順位を明確にし、段階的に進めることが重要です。
- 第1段階(0-6ヶ月):現状分析と戦略立案
- 第2段階(6-12ヶ月):パイロットプログラムの実施
- 第3段階(12-24ヶ月):本格展開と効果測定
- 第4段階(24ヶ月以降):継続的な改善とスケール
社内の巻き込みと協力体制
人事部門だけでなく、全社的な取り組みとして推進することが成功の鍵です。
- 経営層のコミットメントを得る
- 現場社員を巻き込んだプロジェクトチーム編成
- 他部門(広報、マーケティング、事業部)との連携
- 若手社員の意見を積極的に取り入れる
小さな成功事例の積み重ね
大規模な投資の前に、小さなパイロットプロジェクトから始めることをお勧めします。
- 1つの高校との探究学習連携から開始
- 特定部署でのインターンシッププログラム改革
- SNSアカウント1つから始める情報発信
- 限定的なデータ分析ツールの試験導入
Study Valley TimeTactによる解決アプローチ
Study Valley TimeTactは、企業がZ世代との長期的な関係構築を効率的に行うためのプラットフォームを提供します。
高校との連携を簡単に実現
TimeTactは、企業と高校をつなぐマッチングプラットフォームとして機能します。
- 探究学習のテーマ提供を簡単に登録・公開
- 興味を持った高校・生徒からの問い合わせ管理
- オンライン・オフラインでの支援活動の記録
- 参加生徒の学習成果や感想の可視化
長期的な人材パイプラインの構築
高校時代から関わった生徒との継続的な関係維持を支援します。
- 参加生徒のデータベース化と成長追跡
- 大学進学後も継続的な情報提供
- インターンシップや採用への自然な誘導
- OB・OGネットワークの形成支援
投資効果の可視化とPDCA
教育CSR活動の効果測定を数値化し、投資判断を支援します。
- 参加生徒数や満足度の自動集計
- 企業認知度や好感度の変化を追跡
- 採用につながった人数や定着率の分析
- ROI(投資対効果)レポートの自動生成
Z世代インサイトの提供
プラットフォームに蓄積された膨大なデータから、Z世代の最新トレンドを提供します。
- 人気の探究テーマランキング
- Z世代の関心事の変化と予測
- 効果的なアプローチ方法の事例共有
- 他社のベストプラクティス情報
まとめ
Z世代に「この会社で働きたい」と思ってもらうためには、従来の採用手法からの大きな転換が必要です。給与や待遇だけでなく、社会的意義、成長機会、価値観の一致といった要素が重視される今、人事部門は新たな領域への戦略的な投資が求められています。
特に重要なのは、高校段階からの長期的な関係構築です。探究学習の支援を通じて早期から接点を持つことで、企業理念への深い理解と共感を育むことができます。また、デジタルネイティブに響くコミュニケーションチャネルの構築も欠かせません。
Study Valley TimeTactのようなプラットフォームを活用することで、これらの投資を効率的かつ効果的に進めることが可能です。今すぐ行動を起こした企業が、5年後、10年後の人材獲得競争で優位に立つことは間違いありません。
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【この記事の監修者】
田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。