「BtoB企業だから」は言い訳。高校生に自社の魅力と社会への貢献を伝えるストーリーテリング
「うちはBtoB企業だから、高校生には理解してもらえない」「一般消費者向けの製品がないから、魅力を伝えるのが難しい」――こうした声を採用担当者からよく聞きます。しかし、本当にそうでしょうか。BtoB企業こそ、社会インフラを支え、産業の根幹を担う重要な存在です。本記事では、BtoB企業が高校生に自社の魅力と社会貢献を効果的に伝えるストーリーテリングの手法について詳しく解説します。

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BtoB企業が陥る「伝わらない」の悪循環
多くのBtoB企業は、高校生への情報発信において以下のような課題を抱えています。専門用語の羅列、抽象的な説明、実感の湧かない事業内容――これらが「伝わらない」原因となり、優秀な人材との接点を失っています。
なぜBtoB企業の魅力が伝わらないのか
BtoB企業の情報発信が高校生に響かない主な理由は以下の通りです。
- 業界用語の壁:専門用語や業界特有の表現が理解を妨げる
- 最終製品との距離:自社製品が消費者の手に届くまでのプロセスが見えない
- 規模感の欠如:「シェア○%」と言われても実感が湧かない
- 技術偏重の説明:技術の素晴らしさばかりで、社会的意義が伝わらない
「知られていない」ことの機会損失
BtoB企業が高校生に認知されないことで生じる損失は計り知れません。将来の優秀な人材が、そもそも選択肢として考えることすらないという状況は、企業の持続的成長にとって大きなリスクです。
- 理系学生が技術力の高い企業を知らずに進路選択する
- 社会課題解決に関心のある学生が、貢献できる企業を見逃す
- グローバルに活躍したい学生が、海外展開企業の存在を知らない
高校生の心を掴むストーリーテリングの原則
BtoB企業が高校生に魅力を伝えるためには、事業内容を「物語」として語る技術が必要です。ここでは、効果的なストーリーテリングの原則を紹介します。
1. 「誰のために」を明確にする
BtoB企業の製品やサービスも、最終的には誰かの生活を支えています。その「誰か」を具体的に描くことで、事業の意義が伝わりやすくなります。
- 「工作機械を作る」→「世界中の工場で、安全に製品を作る人々を支える」
- 「化学素材を開発」→「スマートフォンを使う10億人の日常を支える」
- 「物流システムを提供」→「災害時でも必要な物資を届けられる社会を作る」
2. 身近な例から逆算する
高校生の日常生活から逆算して、自社の貢献を説明する手法は非常に効果的です。
- 「朝起きてから学校に行くまでに、実は○○個の当社製品に支えられている」
- 「SNSで写真を投稿する裏側で、当社の技術がこんな役割を果たしている」
- 「コンビニで買い物ができるのは、当社のシステムがあるから」
3. 数字を「体感」に変換する
抽象的な数字を、高校生が実感できる規模感に変換することが重要です。
- 「年間生産量100万トン」→「東京ドーム○個分の重さ」
- 「世界シェア30%」→「世界の3人に1人が間接的に使用」
- 「創業100年」→「おじいちゃんの世代から社会を支え続けている」
BtoB企業のストーリーテリング実践例
では、具体的にどのようなストーリーテリングが効果的なのでしょうか。業種別に、高校生の心に響く伝え方の実例を紹介します。
素材メーカーの場合
「当社は特殊鋼を製造しています」という説明を、以下のように変換します。
「新幹線が時速300kmで安全に走れるのはなぜか、考えたことはありますか?」から始まり、レールや車輪に使われる特殊な鋼材の話へ。そして、「私たちは、日本中の人々の移動を支える”縁の下の力持ち”です」と締めくくります。
産業機械メーカーの場合
「半導体製造装置を作っています」では伝わりません。代わりに:
「スマートフォンの中には、髪の毛の1/1000の細さの回路が何億個も入っています」という驚きから始め、その精密な回路を作る装置の開発ストーリーへ。「世界最先端の技術で、人類の未来を創る仕事」として位置づけます。
BtoBソフトウェア企業の場合
「企業向けERPシステムを提供」という表現を変えて:
「お気に入りの商品が、いつでも店頭に並んでいる”当たり前”を作る」という視点から、在庫管理や生産計画の重要性を説明。「見えないところで社会の”当たり前”を支えるプロフェッショナル」として自社を表現します。
探究学習を活用したBtoB企業の魅力発信
高校の探究学習は、BtoB企業にとって自社の社会的価値を深く理解してもらう絶好の機会です。単発の会社説明会では伝えきれない魅力を、時間をかけて伝えることができます。
探究テーマとしての提供例
BtoB企業が提供できる探究テーマの例を紹介します。
- サプライチェーンの探究:「一つの製品が消費者に届くまでの道のり」
- 産業の相互依存性:「もし○○産業がなかったら、社会はどうなる?」
- 技術革新の影響:「AIやIoTで、BtoB企業はどう変わるか」
- グローバル競争:「日本の技術力は世界でどう評価されているか」
社員との対話で深める理解
BtoB企業の魅力を最も効果的に伝えられるのは、実際に働く社員の生の声です。
- 若手社員による仕事のやりがい紹介
- ベテラン技術者による製品開発秘話
- 海外駐在員からのグローバルビジネスの実態
- 経営層による業界の未来ビジョン共有
Study Valley TimeTactで実現する効果的な企業PR
BtoB企業が高校生に効果的にアプローチするためには、適切なプラットフォームが必要です。Study Valley TimeTactは、BtoB企業の複雑な事業内容を、高校生に分かりやすく伝える仕組みを提供しています。
TimeTactのBtoB企業向け機能
TimeTactは、BtoB企業特有の課題を解決する機能を備えています。
- ビジュアルストーリー機能:複雑な事業内容を図解やアニメーションで表現
- 用語解説データベース:専門用語を高校生向けに自動変換
- インパクト可視化ツール:自社の社会貢献度を数値とビジュアルで表現
- 探究テーマライブラリ:BtoB企業向けの探究テーマテンプレート
継続的な関係構築のサポート
TimeTactを通じて、一度きりではない、継続的な接点を構築できます。
- 探究活動の進捗に応じた段階的な情報提供
- 生徒の興味関心に基づくパーソナライズドコンテンツ
- オンライン・オフラインを組み合わせた交流機会の創出
- 高校卒業後も続く、長期的な関係性の構築
まとめ:BtoB企業の誇りを次世代に伝える
「BtoB企業だから高校生には伝わらない」というのは、もはや言い訳にすぎません。適切なストーリーテリングと伝え方の工夫により、BtoB企業の魅力と社会的価値は必ず高校生に届きます。
重要なのは、専門的な事業内容を「自分たちの生活にどう関わっているか」という視点で翻訳すること。そして、社会を支える誇りと、未来を創る可能性を、情熱を持って伝えることです。BtoB企業で働くことの意義と魅力を、次世代にしっかりと伝えていきましょう。あなたの会社が持つ「見えない価値」は、きっと多くの高校生の心に響くはずです。
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【この記事の監修者】
田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。