大学入試

高校の探究学習スケジュールに合わせた大学の効果的アプローチ時期

高校のカリキュラムを理解する。探究学習の年間スケジュールに合わせた、効果的なアプローチ時期

高大連携の成功は、タイミングが鍵を握ります。多くの大学が高校へのアプローチに苦戦する理由の一つは、高校の探究学習の年間スケジュールを十分に理解していないことにあります。本記事では、高校の探究カリキュラムの実態を詳しく解説し、大学として最も効果的にアプローチできる時期と方法をご紹介します。

近年、高等学校では「総合的な探究の時間」が必修化され、年間70単位時間(週2時間相当)の探究活動が行われています。しかし、その実施時期や内容は学校によって大きく異なり、大学側からは「いつ、どのような支援を申し出れば良いのか」が見えにくい状況です。効果的な高大連携を実現するためには、まず高校側のニーズとタイミングを正確に把握することが不可欠です。

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高校の探究学習、年間スケジュールの実態とは

高校の探究学習は、学年によって大きく異なる特徴を持っています。一般的な年間スケジュールを理解することで、大学からのアプローチがより効果的になります。

【1年生】基礎力養成期(4月〜3月)

  • 4月〜5月:探究学習のガイダンス、基本的な調査スキルの習得
  • 6月〜7月:地域課題の発見、テーマ設定の基礎
  • 9月〜11月:グループでのミニ探究活動
  • 12月〜3月:プレゼンテーション基礎、次年度への準備

【2年生】本格的探究期(4月〜3月)

  • 4月〜5月:個人テーマの設定、研究計画の立案
  • 6月〜9月:フィールドワーク、データ収集、実験・調査
  • 10月〜12月:中間発表、フィードバックを踏まえた改善
  • 1月〜3月:最終発表準備、ポートフォリオ作成

【3年生】深化・進路接続期(4月〜12月)

  • 4月〜6月:探究の深化、進路との接続
  • 7月〜9月:大学入試準備(活動報告書作成等)
  • 10月〜12月:後輩への引き継ぎ、最終発表会

このスケジュールは標準的なものですが、実際には学校によって大きな差があります。進学校では2年生の早い段階から大学入試を意識した個人探究に移行する一方、キャリア教育を重視する学校では3年間を通じて段階的にプログラムを構築しています。

大学がアプローチすべき「ゴールデンタイム」とは

高校の年間スケジュールを踏まえると、大学からのアプローチが最も効果的な時期が見えてきます。これらの「ゴールデンタイム」を逃さないことが、成功への近道です。

【時期1】2年生の4月〜5月:テーマ設定支援

生徒が個人探究のテーマを設定する時期は、大学の専門性を活かした支援が最も求められるタイミングです。この時期の支援内容として効果的なのは:

  • 大学の研究分野と関連する探究テーマの提案
  • テーマ設定ワークショップの開催
  • 大学教員による「問いの立て方」講座
  • 過去の優秀な探究事例の紹介

【時期2】2年生の6月〜9月:専門的知見の提供

生徒が本格的な調査・研究を行う時期は、大学の研究リソースを活用できる絶好の機会です:

  • 研究手法に関する出張講義
  • 大学図書館や研究施設の開放
  • 大学院生によるメンタリング
  • オンラインでの相談対応

【時期3】2年生の1月〜3月:進路意識の醸成

探究活動がひと段落し、進路を考え始める時期は、大学の魅力を伝える最適なタイミングです:

  • 探究成果発表会への大学教員派遣
  • 大学での探究活動体験プログラム
  • 探究を深められる学部・学科の紹介
  • 在学生との交流機会の提供

【時期4】3年生の4月〜6月:入試準備支援

総合型選抜の準備を始める時期は、具体的な入試情報の提供が重要です:

  • 探究活動の大学入試での評価方法説明会
  • 活動報告書の書き方講座
  • 面接での探究アピール方法指導
  • 個別相談会の開催

月別アプローチ戦略:高校のニーズに応える最適解

年間を通じて、各月に高校が抱える課題やニーズは変化します。大学として、それぞれの時期に最適なアプローチを行うことで、高校との信頼関係を構築できます。

4月:新年度のスタートダッシュ支援

高校のニーズ:年間計画の策定、新任教員のサポート、生徒へのガイダンス内容の充実

大学のアプローチ

  • 探究学習の年間計画策定支援ツールの提供
  • 教員向け研修プログラムの提案
  • 大学の探究支援メニューの紹介パンフレット送付

5月〜6月:テーマ設定の壁を乗り越える

高校のニーズ:生徒のテーマ設定支援、多様な分野の専門家との接点

大学のアプローチ

  • 学部別「探究テーマ相談会」の開催
  • オンラインでのテーマ設定ワークショップ
  • 大学教員による「良い問いの立て方」動画教材の提供

7月〜8月:夏休みを活用した集中支援

高校のニーズ:フィールドワークの場、実験・調査環境の提供

大学のアプローチ

  • サマープログラム(1日〜1週間の探究体験)
  • 大学研究室での実験体験
  • 大学図書館の特別開放

9月〜10月:中間評価とブラッシュアップ

高校のニーズ:専門的な視点からのフィードバック、発表技術の向上

大学のアプローチ

  • 中間発表会への評価者派遣
  • プレゼンテーション技術講座
  • ポスター作成ワークショップ

11月〜12月:成果のまとめと次への展開

高校のニーズ:探究成果の価値づけ、進路との接続

大学のアプローチ

  • 探究成果発表会の共催
  • 優秀作品への大学長賞の授与
  • 探究を深められる大学・学部の紹介

1月〜3月:次年度への準備と引き継ぎ

高校のニーズ:年間の振り返り、次年度計画、新入生への準備

大学のアプローチ

  • 年間振り返りワークショップの実施
  • 次年度の連携計画相談会
  • 新入生向けガイダンス資料の共同作成

Study Valley TimeTactで実現する、タイムリーな高大連携

高校の探究学習スケジュールに合わせた効果的なアプローチを実現するには、情報共有とコミュニケーションの仕組みが不可欠です。Study Valley TimeTactは、この課題を解決する強力なツールとなります。

リアルタイムでの進捗把握

TimeTactを活用することで、大学は連携校の探究学習の進捗をリアルタイムで把握できます。生徒がどのようなテーマに取り組んでいるか、どの段階でつまずいているかが可視化されるため、タイムリーな支援が可能になります。

大学リソースの効率的な提供

システム上で大学が提供できる支援メニュー(出張講義、施設開放、メンタリング等)を登録し、高校側が必要なタイミングで申し込める仕組みを構築できます。これにより、双方の負担を軽減しながら、最適なマッチングが実現します。

継続的な関係構築

単発のイベントではなく、年間を通じた継続的な支援が可能になります。生徒の成長過程を大学も共有することで、入学後の教育にも活かせる貴重なデータが蓄積されていきます。

エビデンスに基づく改善

どの時期にどのような支援が効果的だったか、データとして蓄積・分析できます。これにより、次年度以降の高大連携プログラムをより効果的に改善していくことが可能です。

まとめ

高校の探究学習カリキュラムを理解し、適切なタイミングでアプローチすることは、効果的な高大連携の第一歩です。年間スケジュールに合わせた戦略的な支援により、高校との信頼関係を構築し、優秀な生徒との出会いにつながります。

重要なのは、高校側のニーズを的確に把握し、大学の強みを活かした支援を、最適なタイミングで提供することです。4月〜5月のテーマ設定期、7月〜8月の調査実施期、1月〜3月の振り返り期など、各時期の特性を理解した上でのアプローチが求められます。

Study Valley TimeTactのようなデジタルツールを活用することで、これらの連携をより効率的かつ効果的に実現できます。高校の探究学習を理解し、寄り添い、共に生徒を育てる。そんな新しい高大連携の形が、これからの大学に求められています。

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【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。