探究学習

高校生が自社事業を研究するメリットと実践方法

高校生に、自社の事業をテーマに研究してもらうメリットと、その具体的な進め方

「高校生に自社の事業を研究してもらう?それって何の意味があるの?」多くの企業担当者が最初に抱く疑問です。しかし、実際に高校の探究学習と連携した企業からは、想定以上の成果があったという声が続々と寄せられています。新たな視点での事業改善提案、社員のモチベーション向上、長期的な採用ブランディング効果など、高校生との協働は企業にとって多面的なメリットをもたらします。本記事では、具体的な成功事例とともに、実践的な進め方を解説します。

高校/学校の探究担当の先生向け探究学習支援サービス『TimeTact』 CSRの枠を超えた教育投資『TimeTact』

【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。

現在、探究に関する無料相談会を開催中です。探究へのICT活用や外部連携にご興味ある方、お気軽にご連絡下さい。ご予約はこちら(2024年3月現在、問い合わせが急増しております。ご希望の方はお早めにご連絡ください)。

【企業のCSR広報ご担当者様へ】
CSR広報活動の強い味方!
探究教育を通して、学校と繋がるさまざまなメリットを提供しています。


まずはお気軽に「教育CSRサービスページ」より資料をダウンロードください。
また無料相談も可能です。些細なご相談やご質問、お見積りなど、お気軽にご相談ください。

なぜ今、企業が高校生の「探究学習」に注目すべきなのか

2022年度から本格化した高校の「総合的な探究の時間」により、全国の高校生約300万人が年間70〜140時間、自ら設定したテーマで調査・研究活動を行っています。この教育改革の波は、企業にとって見逃せない機会となっています。

高校教育現場で起きている大きな変化

  • 実社会の課題解決が学習の中心に:教科書の知識習得から、リアルな社会課題への取り組みへシフト
  • 外部連携の推奨:文部科学省が企業・団体との連携を積極的に推進
  • 評価方法の変化:大学入試でも探究活動の成果が重視される傾向

企業側のニーズとの合致

一方、企業側も以下のような課題に直面しています:

  • Z世代の価値観や行動様式の理解不足
  • イノベーション創出のための新たな視点の必要性
  • 早期からの人材確保・育成戦略の重要性増大
  • 社会貢献活動の実質化とESG経営の推進

これらの企業ニーズと高校教育の変化が、まさに今、交差点を迎えているのです。

高校生に自社事業を研究してもらう「5つの具体的メリット」

実際に高校生との探究連携を実施した企業から報告される、具体的なメリットを整理しました。

1. 新鮮な視点による事業改善のヒント

【事例】大手食品メーカーA社

  • 高校生が「若者の朝食離れ」をテーマに同社の商品を研究
  • SNS映えする朝食メニューの提案が、新商品開発のヒントに
  • 結果:提案を参考にした新商品が、若年層の売上30%増を達成

高校生は既成概念にとらわれない柔軟な発想で、企業が見落としていた課題や機会を発見します。デジタルネイティブ世代ならではの視点は、特にDX推進やマーケティング戦略において貴重な示唆を与えてくれます。

2. 社員のモチベーション向上と組織活性化

【効果測定データ】

  • 探究支援に関わった社員の仕事満足度:平均15%向上
  • 「自社の社会的意義を再認識した」:参加社員の82%
  • 部署間連携の機会増加:通常業務比で3.5倍

高校生に自社事業を説明する過程で、社員自身が仕事の意味や価値を再発見します。また、普段接点の少ない部署間での協力も生まれ、組織の活性化につながります。

3. 長期的な採用ブランディング効果

【追跡調査結果】

  • 探究連携を経験した高校生の75%が「将来その企業で働きたい」と回答
  • 大学進学後も企業への関心を維持:60%以上
  • 実際の新卒採用での接触率:通常の3倍

高校時代の深い企業理解は、5〜7年後の採用活動に直結します。単なる会社説明会では得られない、事業への深い共感と理解を持った人材の獲得につながります。

4. 地域社会での評価向上と信頼構築

  • 地元メディアでの露出機会:年平均5回以上
  • 自治体からの表彰・感謝状:連携企業の65%が受賞
  • 地域住民の企業認知度:平均20%向上

教育支援は最も理解されやすい社会貢献活動です。地域に根ざした企業として、ステークホルダーからの信頼を獲得できます。

5. イノベーション創出の土壌づくり

【イノベーション事例】

  • IT企業B社:高校生の提案から新サービスのアイデアが生まれ、事業化検討へ
  • 製造業C社:環境配慮型パッケージのデザインを高校生と共同開発
  • 小売業D社:Z世代向け店舗レイアウトの改善提案を実店舗で採用

高校生との対話は、社内にイノベーティブな文化を醸成します。「若者の意見を聞く」習慣が、柔軟な組織文化の構築につながります。

成功する探究連携の「7ステップ実践ガイド」

では、具体的にどのように進めれば良いのか。成功企業の事例から導き出した、実践的な7つのステップを紹介します。

Step1:社内体制の構築(準備期間:1-2ヶ月)

必須タスク:

  • プロジェクトリーダーの選定(人事部門と事業部門から各1名推奨)
  • 経営層への説明と承認取得
  • 参加部署・協力社員の募集(初回は3-5名程度が適正)
  • 予算確保(初年度は50-100万円程度が相場)

成功のコツ:若手社員を巻き込むことで、高校生との距離が縮まり、活動が活性化します。

Step2:連携先高校の選定と関係構築(1-2ヶ月)

アプローチ方法:

  • 地元の教育委員会への相談
  • 商工会議所経由での紹介
  • 既に連携実績のある企業からの紹介
  • 学校ホームページでの探究活動確認

選定基準:

  • 探究学習に積極的な学校(SSH、SGH指定校など)
  • アクセスの良さ(オンライン活用も検討)
  • 担当教員の熱意と協力体制

Step3:探究テーマの設定と提供(2週間)

効果的なテーマ例:

  • 「10年後の◯◯業界はどうなっているか?」(未来予測型)
  • 「若者に△△サービスを使ってもらうには?」(課題解決型)
  • 「当社の技術で解決できる社会課題は?」(価値創造型)

テーマ設定の注意点:

  • 高校生が興味を持ちやすい身近な切り口
  • 答えが一つでない、探究の余地がある問い
  • 企業の実際の課題とリンクした内容

Step4:キックオフと企業理解セッション(半日)

プログラム例:

  1. 企業概要説明(30分)※専門用語を避け、ビジュアル重視
  2. 社員との対話セッション(45分)※少人数グループ推奨
  3. 施設見学or商品体験(60分)
  4. 探究テーマの説明と質疑応答(45分)

Step5:探究活動のサポート(3-6ヶ月)

継続的な支援方法:

  • 月1回のオンライン相談会(各回30分程度)
  • メールやチャットでの質問対応
  • 追加資料や数字データの提供
  • 中間発表へのフィードバック

重要ポイント:答えを与えるのではなく、考えるヒントを提供することで、生徒の主体的な学びを促進します。

Step6:成果発表会と相互フィードバック(半日)

実施内容:

  • 高校生による研究成果プレゼンテーション
  • 社員からの専門的なフィードバック
  • 優秀提案の表彰(記念品贈呈)
  • 今後の展開についての意見交換

Step7:成果の活用と関係継続(継続的に)

成果活用例:

  • 社内報やWebサイトでの活動報告
  • 提案内容の事業への反映検討
  • 次年度の活動計画策定
  • 他校への展開検討

Study Valley TimeTactが実現する、効率的な探究連携マネジメント

高校生との探究連携は大きなメリットがある一方で、複数校・複数テーマの管理は煩雑になりがちです。Study Valley TimeTactは、企業の探究連携活動を効率化し、成果を最大化するための機能を提供しています。

企業向け探究連携支援機能

  • 探究テーマバンク:業界別・難易度別のテーマテンプレートを提供
  • 進捗管理ダッシュボード:複数の連携プロジェクトを一元管理
  • コミュニケーションハブ:高校生からの質問対応を効率化
  • 成果物アーカイブ:過年度の優秀事例を蓄積・活用

ROI(投資対効果)の可視化機能

  • 連携効果測定:ブランド認知度、採用への影響等を数値化
  • 社員エンゲージメント分析:参加社員の意識変化を追跡
  • メディア露出換算:PR効果を金額換算で算出

リスク管理・コンプライアンス機能

  • 個人情報管理:生徒情報の適切な取り扱いをシステムで担保
  • 活動記録の保存:将来の採用活動での活用も視野に
  • 学校との契約書テンプレート:法的リスクを最小化

TimeTactを活用することで、担当者の業務負担を50%削減しながら、より多くの学校と質の高い連携を実現できます。

まとめ:高校生との探究連携は、企業の未来への投資

高校生に自社事業を研究してもらうことは、単なるCSR活動ではありません。新たな視点の獲得、社員の成長、将来の人材確保、イノベーション創出など、企業にとって多面的な価値をもたらす戦略的な取り組みです。

最初は小さな一歩から始めてみてください。1校、1テーマからでも構いません。その経験は必ず、企業の成長と社会貢献の両立という、これからの時代に求められる経営の実現につながるはずです。

Study Valley TimeTactは、そんな企業の挑戦を全力でサポートします。高校生との探究連携を通じて、企業の新たな可能性を一緒に探してみませんか。

高校/学校の探究担当の先生向け探究学習支援サービス『TimeTact』 CSRの枠を超えた教育投資『TimeTact』

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【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表

東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。