「探究」をフックにした大学ブランディング戦略:Z世代に”刺さる”大学の魅力発信とは
「うちの大学の良さが、なぜ高校生に伝わらないのか…」多くの大学広報担当者が抱える悩みです。従来の偏差値や就職率を前面に出した広報では、Z世代の心を掴むことが難しくなっています。一方で、「探究」をキーワードに据えた広報展開で、志願者数を大幅に増やしている大学があります。高校生が3年間取り組む探究学習との接続性を明確に示すことで、大学の学びの魅力が格段に伝わりやすくなるのです。本記事では、Z世代の価値観を踏まえた、新たな大学ブランディング戦略を解説します。

【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。
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なぜ従来の大学広報が、Z世代に響かなくなったのか
Z世代(1997年以降生まれ)の大学選びの基準は、親世代とは大きく異なっています。単なる知名度や偏差値では、もはや彼らの心は動きません。
Z世代の大学選びにおける価値観の変化
【従来の価値観】
- 偏差値の高さ=良い大学
- 有名企業への就職率が重要
- 親や教師の評価を重視
- 安定した将来を約束する大学を選択
【Z世代の新しい価値観】
- 自分の興味・関心との合致度を最重視
- 社会課題解決への貢献可能性を評価
- 多様性と個性を尊重する環境を求める
- 「なぜその大学なのか」の明確な理由が必要
高校での探究学習が生んだ意識変革
2022年度から必修化された「総合的な探究の時間」により、高校生の学びに対する意識が大きく変化しています:
- 主体的な問いの設定:与えられた課題ではなく、自ら問いを立てる経験
- 深い思考の習慣化:表面的な調べ学習を超えた、本質的な探究活動
- 社会との接続意識:学びが社会にどう活かされるかを常に考える姿勢
- プロセスの重視:結果だけでなく、学びの過程に価値を見出す
このような経験を積んだ高校生にとって、「何を学べるか」だけでなく「どのように学べるか」が大学選びの重要な基準となっているのです。
探究をフックにした大学ブランディングの成功事例
実際に「探究」を軸にしたブランディングで成果を上げている大学の事例を見てみましょう。
事例1:A大学「探究力育成宣言」による志願者数40%増
【取り組み内容】
- 全学部で「探究型カリキュラム」を導入
- 高校の探究活動を大学の卒業研究まで接続する「探究ポートフォリオ」システム
- 「探究メンター制度」で1年次から個別指導
【広報戦略】
- キャッチコピー:「あなたの”なぜ?”を、4年間かけて追究する」
- 在学生の探究ストーリーを動画シリーズ化
- 高校での探究発表会に教員・学生が積極参加
【成果】
- 志願者数:前年比40%増(特に総合型選抜で60%増)
- 入学者の満足度:90%以上が「期待通りor期待以上」
- 中退率:30%減少
事例2:B大学「社会課題解決型探究」のブランド確立
【特徴的な施策】
- SDGsの17目標すべてに対応する研究室・ゼミを配置
- 地域企業・自治体と連携した実践的PBL
- 高校生の探究テーマを大学で発展させる「探究ブリッジプログラム」
【広報での訴求点】
- 「世界を変える探究がここから始まる」
- 卒業生の社会課題解決事例を前面に
- 高校生向け「探究相談窓口」の常設
事例3:C大学「探究×テクノロジー」の独自ポジション
【差別化戦略】
- AIやVRを活用した先端的な探究手法の提供
- 文理融合の「デジタル探究ラボ」設置
- 高校生も参加できる「探究ハッカソン」開催
【効果的な施策】
- TikTokやYouTubeでの探究実験動画が話題に
- オンライン探究体験プログラムに全国から参加
- 「未来の探究」をテーマにしたビジョン発信
Z世代に響く、探究を軸にした魅力発信の具体的手法
成功事例から導き出される、効果的な広報手法を整理します。
1. ストーリーテリングの活用
従来の発信:「本学の就職率は95%です」
探究視点の発信:「高校時代に環境問題を探究していたAさんは、本学で研究を深め、今は大手企業で再生可能エネルギー事業を立ち上げています」
- 個人の成長ストーリーを中心に据える
- 高校→大学→社会の連続性を明確に示す
- 失敗や悩みも含めたリアルな過程を描く
2. インタラクティブなコンテンツ設計
効果的なコンテンツ例:
- 探究テーマ診断ツール:興味関心から最適な学部・研究室をマッチング
- バーチャル研究室ツアー:360度動画で探究の現場を体験
- 探究シミュレーター:大学での4年間の探究プロセスを疑似体験
- 先輩との探究相談チャット:LINEやInstagramでの気軽な相談
3. 高校の探究活動との具体的な接続提示
訴求すべきポイント:
- 「あなたの探究は、本学でこう発展します」の明確化
- 高校の探究テーマ別の進路マップ提供
- 探究の評価方法と入試での活用を透明化
- 入学後の探究支援体制の具体的説明
4. SNSを活用した共感型コミュニケーション
プラットフォーム別戦略:
- Instagram:探究の日常をビジュアルで表現(実験風景、フィールドワーク等)
- Twitter:探究のtipsや気づきを短文で発信
- TikTok:探究の面白実験や意外な発見を短尺動画化
- YouTube:じっくり見せる探究ドキュメンタリー
5. 高校生参加型のコンテンツ展開
- 探究アイデアコンテスト:優秀者は大学の研究に参加
- 高校生探究アンバサダー:大学の探究活動をSNSで発信
- 探究メンタリング:大学生が高校生の探究をオンラインサポート
- 共同探究プロジェクト:高校生と大学生のコラボレーション
Study Valley TimeTactで実現する、データドリブンな大学ブランディング
探究を軸にしたブランディングを成功させるには、高校生の探究活動の実態を正確に把握し、それに基づいた戦略立案が不可欠です。Study Valley TimeTactは、大学の広報戦略を支援する様々な機能を提供しています。
高校生の探究トレンド分析機能
- 探究テーマ分析:全国の高校生が取り組むテーマの傾向を可視化
- 地域別・学校別分析:ターゲット地域の探究特性を把握
- 興味関心マッピング:学問分野と探究テーマの関連性を分析
- トレンド予測:今後注目される探究領域を先読み
効果的なマッチング支援
- 探究プロファイリング:高校生の探究履歴から適性を分析
- 大学リソースDB:研究室・教員の専門性とマッチング
- 成功パターン分析:過去の成功事例からの学び
- ミスマッチ防止:入学後の満足度予測
広報効果の測定と最適化
- エンゲージメント分析:どの発信が高校生に響いているか
- コンバージョン追跡:広報活動から出願への転換率
- A/Bテスト機能:最適なメッセージングの発見
- ROI算出:施策別の費用対効果を可視化
TimeTactを活用することで、勘や経験則ではなく、データに基づいた戦略的な大学ブランディングが可能になります。高校生一人ひとりの探究への想いに寄り添い、最適な形で大学の魅力を伝えることができるのです。
まとめ:探究が開く、大学ブランディングの新たな地平
Z世代の高校生にとって、探究は単なる授業の一つではありません。自分の興味関心を深め、社会とつながり、未来を切り拓く重要な活動です。大学がこの探究の価値を理解し、それを軸にしたブランディングを展開することで、真に響くメッセージを届けることができます。
重要なのは、表面的に「探究」という言葉を使うことではありません。高校生の探究経験を尊重し、大学でさらに発展させられる環境があることを、具体的かつ魅力的に伝えることです。
探究を通じて培われた「問い続ける力」「挑戦する姿勢」「社会とつながる意識」を持つ学生こそ、これからの大学、そして社会が求める人材です。探究をフックにした大学ブランディングは、そんな次世代の人材と大学を結ぶ、最も効果的な架け橋となるでしょう。
【高校の探究担当の先生へ】
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【この記事の監修者】
田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。