学生募集におけるDX。高校生の探究テーマや興味関心データを活用した、次世代のリクルーティング
少子化が加速する中、大学の学生募集は年々厳しさを増しています。従来の偏差値や地域を基準とした画一的なアプローチでは、もはや優秀な学生を確保することは困難です。一方で、高校では探究学習が必修化され、生徒一人ひとりの興味関心や学びの軌跡がデジタルデータとして蓄積されるようになりました。本記事では、これらの探究データを活用し、DX(デジタルトランスフォーメーション)によって学生募集を革新する次世代のリクルーティング戦略について詳しく解説します。

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なぜ今、学生募集のDXが必要なのか
大学を取り巻く環境は急速に変化しており、従来の学生募集手法では対応しきれない課題が山積しています。
18歳人口の減少と競争の激化
文部科学省の推計によると、18歳人口は2024年の約106万人から、2040年には約82万人まで減少します。この約23%の減少は、多くの大学にとって存続に関わる深刻な問題です。さらに:
- 大学進学率の頭打ち(約55%で推移)
- 都市部への学生集中の加速
- 専門学校や就職など、進路の多様化
- 海外大学への進学増加
従来型募集活動の限界
これまでの学生募集は、以下のようなマス・マーケティング的アプローチが中心でした:
- オープンキャンパスへの来場者数を追求
- 高校への一斉訪問と画一的な説明
- 偏差値帯による機械的なターゲティング
- 紙媒体中心の情報提供
- 志願者データの事後分析のみ
しかし、このアプローチでは個々の高校生の興味関心や適性を把握できず、ミスマッチが生じやすくなっています。
探究学習の普及がもたらす新たな可能性
2022年度から高校で必修化された「総合的な探究の時間」により、状況は大きく変わりました:
- 生徒一人ひとりの探究テーマが明確に
- 3年間の学びの軌跡がデジタル化
- 興味関心分野の深さと広がりが可視化
- 課題解決能力や協働性などの非認知能力も記録
これらのデータは、大学にとって宝の山です。適切に活用すれば、従来では不可能だった精度の高いマッチングが実現できます。
探究データを活用した学生募集DXの全体像
探究データを中心とした学生募集のDXは、単なるデジタル化ではありません。データドリブンな意思決定とパーソナライズされたコミュニケーションにより、学生募集を根本から変革します。
収集すべき探究データの種類
効果的な学生募集のために収集・分析すべきデータは以下の通りです:
1. 探究活動の内容データ
- 探究テーマとその変遷
- 取り組んだ課題の種類と規模
- 使用した研究手法やツール
- 参考文献や情報源
- 成果物の形式と質
2. 学習プロセスデータ
- 探究活動にかけた時間
- チーム活動での役割
- 直面した困難と克服方法
- メンターや専門家との交流記録
- 振り返りと自己評価
3. 興味関心の傾向データ
- 頻出キーワードの分析
- 関連分野への広がり
- 深掘りの度合い
- 社会課題への関心度
- 将来のキャリア志向
データ分析による戦略的ターゲティング
収集したデータをAI・機械学習で分析することで、以下のような戦略的ターゲティングが可能になります:
- 学部・学科とのマッチング度予測
- 探究テーマと専門分野の親和性分析
- 必要な基礎学力の推定
- 研究室やゼミとの相性判定
- 入学後の成功可能性評価
- 学習継続性の予測
- 研究活動への適性判断
- 就職・進路との整合性確認
- 最適なアプローチ時期の特定
- 探究活動の進捗に応じたタイミング
- 進路選択の意思決定時期予測
- 情報感度の高い時期の把握
次世代リクルーティングの実践方法
では、具体的にどのように探究データを活用した学生募集を実践すればよいのでしょうか。成功のための5つのステップを解説します。
STEP1:データ収集インフラの構築
まず必要なのは、探究データを継続的に収集する仕組みです:
- 高校との連携協定に基づくデータ共有
- 探究発表会やコンテストでの情報収集
- オンラインプラットフォームの活用
- SNSやWebサイトからの公開情報収集
- アンケートやヒアリングによる補完
STEP2:データ分析基盤の整備
収集したデータを分析するための技術基盤とスキルが必要です:
- データレイクの構築
- 分析ツールの導入(AI/ML対応)
- ダッシュボードの開発
- データサイエンティストの確保・育成
- 個人情報保護体制の確立
STEP3:パーソナライズされたコミュニケーション
分析結果に基づいて、一人ひとりに最適化されたアプローチを実施:
- 興味関心に応じた情報提供
- 探究テーマに関連する研究室の紹介
- 同じ興味を持つ在学生とのマッチング
- カスタマイズされた体験授業の提供
- 個別最適化されたメールマーケティング
STEP4:オムニチャネル戦略の展開
高校生との接点をオンライン・オフライン問わず統合的に管理:
- Webサイトでの行動履歴追跡
- SNSでのエンゲージメント分析
- オープンキャンパスでの接触記録
- 高校訪問時の反応データ
- すべてのデータを統合したCRM構築
STEP5:効果測定と継続的改善
DXの取り組みを定量的に評価し、PDCAサイクルを回す:
- 志願者数・入学者数の変化
- 歩留まり率の向上度
- 入学後の満足度・定着率
- 費用対効果(ROI)の算出
- 予測モデルの精度向上
Study Valley TimeTactが実現する学生募集DX
探究データを活用した学生募集DXを実現する上で、最大の課題はデータの収集から分析、活用までを一元的に管理するシステムの構築です。Study Valley TimeTactは、この課題を解決し、大学の学生募集を根本から変革します。
高校生の探究データを網羅的に収集
TimeTactは全国の高校で導入が進んでおり、生徒の探究活動データが日々蓄積されています。大学は連携することで:
- 数万人規模の探究データにアクセス可能
- リアルタイムでの情報更新
- 標準化されたフォーマットでのデータ取得
- 個人情報に配慮した適切なデータ活用
- 高校教員の推薦コメントも参照可能
AIによる高度なマッチング分析
TimeTactのAI分析機能により、以下のような高度な分析が自動的に実行されます:
- 探究テーマと学部・学科の適合度スコアリング
- 類似の興味を持つ在学生の学習成果予測
- 志願可能性の高い生徒の自動抽出
- 最適なコミュニケーション内容の提案
- アプローチの成功確率予測
統合的な学生募集管理
データ分析から実際のアプローチまで、学生募集活動全体を一つのプラットフォームで管理:
- ターゲットリストの自動生成
- パーソナライズされたメッセージ配信
- イベント参加履歴の管理
- 教職員間での情報共有
- 募集活動の効果測定レポート
高校との継続的な関係構築
TimeTactを通じて、高校との長期的なパートナーシップも構築できます:
- 探究学習への継続的な支援
- 大学の研究内容の情報提供
- 高校教員へのフィードバック
- 地域全体での人材育成連携
- データに基づく教育改善の共同推進
まとめ:データが導く、新たな大学と高校生の出会い
学生募集におけるDXは、単なる業務効率化ではありません。高校生の探究データを活用することで、従来では見えなかった生徒一人ひとりの可能性を発見し、最適な学びの場とのマッチングを実現する革新的なアプローチです。
Study Valley TimeTactを活用することで、データの収集から分析、そして実際のアプローチまでを統合的に管理し、効果的な学生募集DXを実現できます。少子化時代において、大学が持続的に発展していくためには、このようなデータドリブンなアプローチが不可欠です。今こそ、次世代のリクルーティングへの第一歩を踏み出す時です。
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当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。
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【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。














