探究学習

「ブレインストーミング」のやり方とは?守るべきルールとコツ、探究への活用事例も紹介

探究学習でブレインストーミングをやりたいのでポイントを知りたい

どういうところで活用できるのか知りたい

私たち Study Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、高校の先生や塾の先生方へ、探究学習を効果的に行えるICTツールの提供や、コンサルティングサービスを行っています。

先生方とお話する中で、冒頭のようなご相談をよくいただきます。

教育現場で「ブレインストーミング」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。

ブレインストーミングはアイデアを集めるときに用いられる手法の一つで、探究学習では課題を設定するとき、仮説を立てるとき、解決のアイデアを出すときによく活用されます。

ただアイデアを出していくだけと言ってしまえばそれまでですが、一定のルールがあることも事実。先生は正しいやり方を知り、より高い学習効果が得られるように学習に盛り込まなければいけません。

この記事はブレインストーミングのやり方、ルール、学習効果を高めるポイントを解説します。

目次
ブレインストーミングとは
ブレインストーミングのやり方
1.メンバーを集める
2.議題を決める
3.方式を決める
4.ブレインストーミングを行う
5.結果を活用する
ブレインストーミングのルール
1.人のアイデアを批判しない
2.アイデアを組み合わせる
3.質より量を重要視する
4.得たアイデアを整理する
5.途中で流れを止めない
ブレインストーミングで学習効果を高める4つのコツ
1.議題の抽象度を調節する
2.役割分担を決める
3.制限時間を設定する
4.ブレインライティングを活用する
まとめ

ブレインストーミングとは

ブレインストーミングとは、一人、もしくは複数人で行うアイデア出しの手段です。特定のテーマに関して条件を設けず、質より量を重視し意見を出していくことで、自由な発想の数多くのアイデアを得ることができます。

探究学習はもちろん社会に出てからも新しいアイデアや解決策を考えるときに利用することがあります。

ブレインストーミングのやり方

ここでは具体的なブレインストーミングのやり方について、以下の4つの手順に沿って見ていきましょう。

ブレインストーミングのやり方
1.メンバーを集める
2.議題を決める
3.方式を決める
4.ブレインストーミングを行う
5.結果を活用する

1.メンバーを集める

ブレインストーミングを行うメンバーを集めます。注意点は、参加するメンバーが多すぎるとまとめるのが難しく、同じ立場の人同士だとアイデアが偏ってしまうことです。

そのためブレインストーミングをするメンバーは「10名以下のグループ」「立場や性格の異なる人」が基本です。

あまりにも立場がかけ離れた人が参加すると、威圧感を与え発言しづらい空気をつくってしまいます。先生が監督する場合はアドバイスや雰囲気づくりに徹し、生徒が自由にアイデアを出せる環境づくりに努めましょう。

2.議題を決める

ブレインストーミングを行う議題を決めます。例えば、探究テーマや課題、それにまつわる解決策などが考えられます。

議題「探究テーマに関して取り組んでみたい課題」
→探究テーマ「地元商店街の活性化」に関して、商店街の課題になにがあるかブレインストーミングしよう(高齢化、薄暗い、空き店舗があって雰囲気が寂しい、駅から遠い・・・)

議題「解決のアイデア」
→課題「商店街のお客に若い人が少ない」に対して、解決策をブレインストーミングしよう(若い人に人気のお店を誘致する、インスタ映えする商品を作る、学割をする、親子イベントを檜尾祭する・・・)

3.方式を決める

ブレインストーミングには様々な種類があり、チームはもちろん個人で使えるものもあります。探究学習の内容や進捗によって取り入れる方式を考えてみましょう。

一部ですが、ブレインストーミングの種類を紹介します。

特徴 特徴
ステップラダー手法 初めは2名でアイデアを出し合い、あとから参加メンバーを増やしていく方法。発言の苦手な生徒も参加しやすくなる。
タイムトラベル手法 参加者が過去・現在・未来と別々の時代に生きていると想定して進める手法。「そのときの時代の人ならどうするのか」がわかりやすくなり、歴史の探究学習で役立つ。
ロールプレイ手法 特定の人格やキャラクターになりきって進める手法。他者がどのような課題に取り組んだり問題を解決したりするのかを把握するために用いられる。

4.ブレインストーミングを行う

実際にブレインストーミングを行います。司会進行役と書記を決めておくとスムーズに進みます。

司会進行役はタイムキーパーと次に発言する人の指名、書記は全員がいつでもアイデアを再確認できるように黒板やホワイトボードを使ってまとめます。

慣れてきたら、ウェビングマップ(マインドマップ)形式でまとめていくと、あとで振り返りや活用がしやすくなります。

参考記事
探究学習にウェビングマップを活用!作り方・4つのメリットと探究活用事例、ツールまで紹介!

5.結果を活用する

ブレインストーミングで出たアイデアは、KJ法で分類する、さらに組み合わせて新たなアイデアを作るなどして、活用します。

ブレインストーミングのルール

自由にアイデアを出し合うブレインストーミングですが、いくつかルールがあります。

先生は生徒がルールから脱線してしまわないよう、探究学習の中で見守ってあげましょう。知っておきたいブレインストーミングのルールは、次の5つです。

ブレインストーミングのルール
1.人のアイデアを批判しない
2.アイデアを組み合わせる
3.質より量を重要視する
4.得たアイデアを整理する
5.途中で流れを止めない

1.人のアイデアを批判しない

一番大切なルールは、人のアイデアを批判しないことです。「批判されるかも」と思った瞬間に自由な発想ができなくなりますし、「何か言われたらどうしよう」と考える生徒は発言自体をしづらくなります。

たとえ議題とずれたアイデアであっても、新しい気づきが生まれることもあるので先生は尊重して生徒が気軽に発言できるようにしましょう。

アイデアを出したことを褒めてあげると生徒も「積極的に意見を出そう!」と思ってくれます。

2.アイデアを組み合わせる

ただアイデアを出し合うだけでなく、既存のアイデアも含めしっかり組み合わせましょう。一見無関係だと思うようなアイデアも、組み合わせることで問題解決につながることがあります。

それまでは解決不可能だと言われていた仮説が、思わぬ形でヒントを生み出してくれることもあるのです。

3.質より量を重要視する

ブレインストーミングは大量のアイデアを集めることが大切で、とにかく質より量です。一つ一つのアイデアをじっくり精査するのではなく、とにかく時間いっぱいアイデアを集めていきましょう。

発言の苦手な生徒は、もしかすると「完璧なことを言わないといけない」と考えるかもしれません。先生は細かいことを気にせず思いつくままに発言するようにフォローしてあげましょう。

ブレインストーミングでは、出てくるアイデアが多ければ多いほど学習の質を高められます。

4.得たアイデアを整理する

得られたアイデアをそのまま放置することなく、きちんと整理しましょう。整理しておかなければ、多くのアイデアを出したあと上手にまとめ切れなくなるからです。

ブレインストーミングのまとめ方には、主にマインドマップとKJ法の二つがあります。マインドマップは、テーマを中心としてアイデアを放物線上にまとめる発想法です。文章でまとめるよりも視覚的に理解がしやすくなります。

そしてKJ法は、付箋やカードにアイデアを書き出して分類、整理する発想法です。KJ法ならアイデアをグループ分けして倫理的に課題をまとめられます。学習の内容に合わせて、それぞれの整理方法を取り入れてみましょう。

参考記事
>「KJ法」のやり方とは?取り入れるメリットや学習効果を高めるコツ、探究への活用も紹介

5.途中で流れを止めない

ブレインストーミングは途中で流れを止めてはいけないルールがあります。途中で流れを止めて質問や議論を行うと、アイデアが出尽くさず、ただのディスカッションに終わってしまいます。

質問や議論の時間はブレインストーミングとは別に時間をとって行うことが重要です。

ブレインストーミングで学習効果を高める4つのコツ

ブレインストーミングのルールを確認したあとは、指導するコツを押さえておきましょう。
次はブレインストーミングで学習効果を高めるコツを紹介します。

ブレインストーミングで学習効果を高める4つのコツ
1.議題の抽象度を調節する
2.役割分担を決める
3.制限時間を設定する
4.ブレインライティングを活用する

1.議題の抽象度を調節する

ブレインストーミングを行う前に、目的に合わせて議題の抽象度を確認し、調節しておきましょう。

例えば探究テーマ「地球環境」において、環境改善のアイデアを出すという目的があったとします。ここで「地球環境を良くするには?」という議題設定をすると抽象的すぎて、アイデアの幅が広くなりすぎてしまいます。

その後の議論を絞りたい場合は、具体性を挙げるのがポイントです。例えば「地球環境を良くするために高校生でも取り組めることは?」といった議題にすれば、アイデアが拡散しすぎず、その後の議論の道筋も予想しやすくなります。

2.役割分担を決める

参加者の中で、あらかじめ役割分担を決めておきましょう。そうすることでブレインストーミングにおける効率が上がり、無駄が減るからです。

探究学習のブレインストーミングでは、司会進行役と書記を1名決めておくと良いでしょう。司会進行役はタイムキーパーを、書記は全員がいつでもアイデアを再確認できるように黒板やホワイトボードを使ってまとめるよう指示していきます。

先生はなるべくサポートに徹し、生徒たちが主体的に進められるようサポートすることが大切です。

3.制限時間を設定する

ブレインストーミングでは時間設定も大切です。時間が短すぎるとアイデアが出尽くさず、長すぎると飽きてしまいます。

テーマや学習の進捗にもよりますが、合間に休憩を入れながらの15分、最大でも30分程度で設定します。慣れないうちはなかなかアイデアが出ないこともありますので、短めの時間で始めると良いかもしれません。

そしてアイデアを出す時間とまとめる時間を別々に設けるようにしましょう。同じ時間にまとめてやってしまうと、学習効果が薄れてしまいます。

4.ブレインライティングを活用する

消極的な生徒に対しては、先ほどご紹介したブレインライティングを活用してみましょう。

ブレインライティングは、決められた数のアイデアを生徒で順番に書き出していく方法です。主に6人程度のグループが最適と言われています。

ブレインライティングなら全ての生徒に紙が行きわたり、声に出す必要もないので発言が苦手な生徒も安心してアイデアを出せます。

ポストイットに書いておけば、あとからKJ法で分類するのにも便利です。

まとめ

ブレインストーミングを上手に活用できれば、柔軟な発想力が培われ探究学習における課題設定やアイデ出しに貢献できます。

特に今回ご紹介した「相手を批判しない」「質より量」はブレインストーミングで大切なルールです。先生は生徒がルールから脱線しないように見守り、協同的な雰囲気を作ってあげましょう。

ABOUT ME
この記事を書いた人:Study Valley 編集部
探究No.1メディア”Far East Tokyo”編集部です!執筆陣は、教育コンサルタント、元教員、教育学部大学院生など、先生方と同じく、教育に熱い思いを持つStudy Valleyのスタッフ陣です。子どもたちがわくわく探究する姿を思い浮かべながら制作しています!先生方のお役に立ちますように。Twitterフォローで記事更新情報が届きます。