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【レポート】江戸川区の魅力を探究してきた篠崎高校2年生、1年間の最終成果を発表

地元・江戸川区の魅力創生についての探究学習を行っている東京都立篠崎高等学校(東京都江戸川区、以下、篠崎高校)は、2023年3月22日 (水) 、株式会社ポポラマーマ(本社:東京都江戸川区、以下、ポポラマーマ)、江戸川区農業経営者クラブ(以下、農業経営者クラブ)とともに、第三回目で最終となる、探究学習成果発表会を行いました。文部科学省が推奨する「チームとしての学校」の実践事例として、地域・企業ぐるみの新しい教育の成果が注目されています。

 篠崎高校は2022年4月より始まった「探究学習(総合的な探究の時間)」を活用し、江戸川区の地域課題に取り組み、新たな魅力創生につながるオリジナルプラン作成を目指す、地域探究を行っています。現在、高校生は下記のような、実際に地元企業や産業が抱えるリアルな課題に挑戦しています。 

生徒が取り組んでいる探究テーマ▼
①生パスタを使った新メニュー開発
②時と場所を鑑みた広告宣伝アイディア
③食材ロスを減らすアイディア​
④農家の人手不足を解消するためのアイディア​
⑤小松菜のブランディングアイディア​
⑥農のある風景を継続していくアイデイア

弊社、株式会社Study Valleyは、探究学習プラットフォーム「TimeTact」を提供、また、コーディネーターとしてこの取り組みをサポートしています。

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第三回 探究学習成果発表会 概要

▲東京都立篠崎高等学校(公式HPより)

日時:3月 22日 (水) 10:50~12:30
会場:東京都立篠崎高等学校(江戸川区東篠崎1-10-1)
発表者:篠崎高校2年生271名
専門家:株式会社ポポラマーマ社員の皆様、江戸川区農業経営者クラブの皆様、江戸川区役所ご担当者様

探究学習と地域連携

探究学習は、変化の激しい社会に対応できる、よりよく課題を解決し、自己の生き方を考えていくための資質・能力を育成することを目標にした学習で、①問題設定、②​情報の収集、③分析、④まとめ・表現、というプロセスを繰り返すプロジェクト型の学習​です。2022年4月から高校で必修化されています。

また、これまで文部科学省は、地域の学習環境を活用し、実社会や実生活の課題を取り上げ、教員以外のメンバーも参画した「チームとしての学校」を提唱してきました(【総合的な探究の時間編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説より )。

教育効果に加えて、教員の働き方改革の文脈でも注目を集めている学校の地域連携は、探究学習においても、重要とされています。

篠崎高等学校は、地元企業の株式会社ポポラマーマと、江戸川区農業経営者クラブに、企業の活きた課題を提供していただき、フィールドワークや、探究成果発表会でのフィードバックなど各種協力の元、探究学習を実施しています。

第三回(最終) 探究成果発表会の内容

今年6月に行われた第一回の成果発表会では、テーマのインサイト(背景)を探究。生徒が高校生目線で課題の背景にあるものを分析、発表しました。第二回は、それを踏まえて、実際に課題を解決する方法を提案。夏休みにはフィールドワークを行うなど情報収集を本格化させ、具体的なプランをパワーポイントにまとめ、発表しました。

最終発表となる今回は、二回目までのフィードバックを踏まえて、さらにブラッシュアップしたプランを企業へプレゼンテーションしました。

「生パスタを使った新メニュー開発」を発表したあるグループは、いろいろなメニューを食べてみたいという顧客のインサイトから、複数のパスタを少量ずつ一度に提供するメニューを提案しました。どのパスタを選ぶかは、調査に基づいた独自の人気のメニューリストを作成。インターネット上のランキングや、実際にポポラマーマの店に足を運び店員さんへの聞き取りを通じて、作り上げました。審査員からは、実際に企業が行うマーケティングに近いアプローチであるとのフィードバックがありました。

▲「新メニュー開発」のプレゼンを行ったグループ

「農家の人手不足を解消するためのアイディア​」を探究したグループでは、校内アンケートによる農業に関する若者の意識調査などをもとに、若者への農業イメージ向上を検討。若者へ魅力を伝える手段としてSNSや、学校教育の中で農業を扱う可能性について発表しました。

▲「農家の人手不足」のプレゼンへフィードバックをいただく(江戸川区農業経営者クラブ 中代様)

食材ロスを減らすアイディア 発表事例

SDGsにも通じるテーマ「食材ロスを減らすアイディア​」の発表例を紹介します。

このグループ、二回目の発表までは、食べ残しの持ち帰りパックを提案していましたが、味の変化や衛生面の課題が判明したため、別の観点で探究の2サイクル目に挑戦していました。

今回は、「①少量のお試しメニュー提供により、お客様の好みと注文したメニューのミスマッチをなくして食べ残しを減らす」「②ハーフサイズの提供で食べ残しを減らす」の2点を探究しました。

①では、少量のお試しメニュー提供によりお客様にいろいろな味を体験してもらい、かつその調理に廃棄前食材を活用することで、より食材ロスを減らそうというアイデアです。

②では、インターネットによりハーフサイズの需要があることを調査し、現在、限定的に導入されているハーフサイズメニューを、全メニューで展開することを提案しました。

▲「食材ロス」についてフィードバックをいただく(株式会社ポポラマーマ​ 木村様)

企業担当者からのアドバイス

廃棄前食材の利用はたしかに食材ロスに有効で、良い提案なのですが、一方で鮮度が味に与える影響もあり、お試しメニューで本来のパスタの味を出せるかどうか、課題になりそうです。

ハーフサイズは、量は少なくても、提供にかかる人件費などのコストは通常サイズとあまり変わりません。そのため、コストはそのままで売上だけが下がってしまうというジレンマがあり、現在は一部のメニューのみでハーフサイズを展開しています。そのバランスが今後の検討ポイントです。

探究学習は、「課題設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ発表」の4つのプロセスからなります。さらに重要なのは、この探究プロセスを1サイクルとして、何回も繰り返していくことです。

「食材ロスを減らす」というテーマに対して、「持ち帰りバッグの検討」で1サイクル目を回し、その結果を踏まえて「お試しメニュー」「ハーフサイズ」という2サイクル目を回すことができ、企業からもより多くの観点からのフィードバックを得られたことは、このグループにとって大きな成果だったのではないでしょうか。

篠崎高等学校先生方の言葉

篠崎高等学校は、地域探究推進校として、今回の探究学習を進めてこられました。推移を見守ってこられた篠崎高等学校校長の久保先生、探究学習担当の唐仁原(とうじんばら)先生の言葉をご紹介します。

篠崎高等学校校長 久保静生 先生

企業のみなさまの優しい声掛けや前向きなアドバイスによって、生徒たちは探究学習を「自分事」としてとらえられるようになり、「誰のどんな幸せに貢献できるのか?」と本気で考えるようになり、それが生徒たち自身の成長に繋がっていることを実感しています。

中学生や保護者の方からも、「このような学びを篠崎でしたい・させたい」という声をいただくようになりました。来年度以降も生徒たちの成長を見守っていただきたいと思います。

探究学習を担当する、唐仁原友紀先生

生徒たちは、至らない部分もあったかと思いますが、本当によくやってくれたなと思っています。今後も関係各所のご協力を得ながら、よりよいアウトプットを江戸川区に還元していきたいと思っております。

探究サポート企業として

また、探究をサポートしてきたStudy Valley 石井は、「2022年度から探究学習が必修化されました。『探究学習元年』ともいえる貴重な年に、篠崎高校のお取り組みに関われたことは大変有り難く存じます。数年後には社会に出る高校生たちが、社会でどうしていきたいかを考えるとっても良いきっかけになったのではないかと思います」とコメントしました。

篠崎高等学校の今後の探究学習

2022年度、2年生の探究学習を1年にわたってレポートしてきました。2023年度以降も江戸川区他、地域の協力企業や団体とともに生徒たちは探究学習を進めていきます。

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この記事を書いた人:Study Valley 編集部
探究No.1メディア”Far East Tokyo”編集部です!執筆陣は、教育コンサルタント、元教員、教育学部大学院生など、先生方と同じく、教育に熱い思いを持つStudy Valleyのスタッフ陣です。子どもたちがわくわく探究する姿を思い浮かべながら制作しています!先生方のお役に立ちますように。Twitterフォローで記事更新情報が届きます。

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