総合型選抜の面接官は「探究のココ」を見ている!想定問答集とアピール術
総合型選抜の面接で、探究活動についてどのように語れば良いか悩んでいませんか?「探究活動の経験を聞かれたら、プレゼンの内容を話せばいいの?」「面接官は探究活動の何を評価するの?」そんな不安を抱える高校生は少なくありません。実は、面接官が見ているのは、単なる研究成果ではなく、探究を通じて培われた「思考力」「主体性」「成長プロセス」なのです。本記事では、総合型選抜で実際によく聞かれる質問と、面接官の心を掴む回答のポイントを詳しく解説します。

【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。
現在、探究に関する無料相談会を開催中です。探究へのICT活用や外部連携にご興味ある方、お気軽にご連絡下さい。ご予約はこちら(2024年3月現在、問い合わせが急増しております。ご希望の方はお早めにご連絡ください)。
【企業のCSR広報ご担当者様へ】
CSR広報活動の強い味方!
探究教育を通して、学校と繋がるさまざまなメリットを提供しています。
まずはお気軽に「教育CSRサービスページ」より資料をダウンロードください。
また無料相談も可能です。些細なご相談やご質問、お見積りなど、お気軽にご相談ください。
なぜ総合型選抜で「探究活動」が重視されるのか?
総合型選抜において、探究活動に関する質問が頻出する理由を理解することは、適切な準備をする上で極めて重要です。
大学が求める「探究力」とは何か
現代の大学教育では、「与えられた知識を暗記する力」よりも「自ら問いを立てて探求する力」が求められています。文部科学省の「高大接続改革」においても、主体的・対話的で深い学びの実現が重視されており、探究活動はまさにその実践の場として位置づけられています。
大学側は、探究活動を通じて以下の能力を評価しようとしています:
- 課題発見力:身の回りの事象から問題を見つけ出す力
- 情報収集・分析力:必要な情報を適切に集め、批判的に分析する力
- 論理的思考力:筋道立てて考え、結論を導き出す力
- 表現力:自分の考えを他者に分かりやすく伝える力
- 協働力:他者と協力して課題に取り組む力
面接官が本当に知りたいこと
面接官は、あなたの探究活動の「結果」だけでなく、むしろ「プロセス」と「そこから何を学んだか」に注目しています。具体的には:
- なぜそのテーマを選んだのか(動機・問題意識)
- どのような困難に直面し、どう乗り越えたか(問題解決力)
- 活動を通じて何を学び、どう成長したか(自己省察力)
- その経験を大学でどう活かすか(将来への接続)
頻出質問と模範回答例:探究活動編
ここからは、総合型選抜の面接で実際によく聞かれる質問と、効果的な回答のポイントを具体例とともに解説します。
質問1:「あなたの探究活動について教えてください」
【面接官の意図】
探究活動の概要を簡潔に説明できるか、論理的な構成で話せるかを見ています。
【回答のポイント】
- 30秒〜1分程度で概要を説明
- 「テーマ」「動機」「活動内容」「成果」「学び」の順で構成
- 専門用語は避け、分かりやすい言葉で説明
【模範回答例】
「私は『地域の空き家問題』をテーマに探究活動を行いました。祖父母の家の近所で空き家が増えているのを見て、この問題に関心を持ちました。まず市役所でデータを収集し、空き家の所有者10名にインタビューを実施しました。その結果、相続や管理費用の問題が主な原因だと分かりました。そこで、空き家を地域のコミュニティスペースとして活用する提案書を作成し、市の政策提言コンテストで発表しました。この活動を通じて、社会課題は複雑な要因が絡み合っており、多角的な視点で分析することの重要性を学びました。」
質問2:「なぜそのテーマを選んだのですか?」
【面接官の意図】
主体性や問題意識の深さ、社会への関心度を評価しています。
【回答のポイント】
- 個人的な体験や問題意識を具体的に述べる
- 「なんとなく」ではなく、明確な動機を示す
- 社会的意義にも触れる
【模範回答例】
「きっかけは、祖父母の家に行くたびに、周囲の空き家が増えていることに気づいたことです。調べてみると、全国で約850万戸もの空き家があり、2033年には3軒に1軒が空き家になるという予測もありました。自分の地域の問題として身近に感じたこと、そして将来の日本社会にとって重要な課題だと考えたことから、このテーマを選びました。」
質問3:「探究活動で最も苦労したことは何ですか?」
【面接官の意図】
困難への対処法、粘り強さ、問題解決能力を見ています。
【回答のポイント】
- 具体的な困難を挙げる
- どのように解決したかのプロセスを詳しく説明
- そこから得た学びを述べる
【模範回答例】
「最も苦労したのは、空き家の所有者へのインタビュー調査です。個人情報の問題もあり、なかなか連絡先が分からず、最初は誰にも話を聞けませんでした。そこで、地域の自治会長に相談し、信頼関係を築いてから紹介してもらう方法に切り替えました。時間はかかりましたが、結果的に10名の方から貴重な話を聞くことができました。この経験から、フィールドワークでは地域との信頼関係構築が何より重要だと学びました。」
質問4:「グループ活動での役割は?」
【面接官の意図】
協働力、リーダーシップ、チームでの立ち位置を評価しています。
【回答のポイント】
- 具体的な役割と貢献を述べる
- チーム全体の成果にどう寄与したかを説明
- 協働から得た学びを加える
【模範回答例】
「5人のグループで活動し、私はデータ分析とプレゼン資料作成を担当しました。統計が得意だったので、市役所から入手したデータをグラフ化し、視覚的に分かりやすい資料を作成しました。また、メンバー間で意見が対立した際は、それぞれの意見を整理して共通点を見つける調整役も務めました。異なる強みを持つメンバーと協力することで、一人では到達できない成果を生み出せることを実感しました。」
質問5:「探究活動を通じて成長したと思うことは?」
【面接官の意図】
自己省察力、成長への意識、学びを言語化する力を見ています。
【回答のポイント】
- 具体的な変化・成長を述べる
- Before/Afterを明確に示す
- 今後にどう活かすかにも触れる
【模範回答例】
「最も成長したのは『多角的に物事を見る力』です。当初は空き家問題を単純に『放置されている家』としか見ていませんでしたが、調査を進めるうちに、相続、税制、高齢化、都市計画など、様々な要因が複雑に絡み合っていることが分かりました。一つの社会課題を理解するには、多様な視点から分析する必要があるということを身をもって学びました。この姿勢は、大学での学びにも必ず活かせると考えています。」
面接官を惹きつける「探究アピール」の極意
ここまで具体的な質問と回答例を見てきましたが、より効果的にアピールするための重要なポイントを解説します。
1. ストーリーで語る
単なる事実の羅列ではなく、「きっかけ→行動→困難→解決→成果→学び」という流れのあるストーリーとして語ることで、面接官の印象に残りやすくなります。
2. 具体的な数字やエピソードを盛り込む
「たくさんの人にインタビューした」ではなく「10名にインタビューした」、「苦労した」ではなく「3ヶ月間、毎週土曜日に図書館に通った」など、具体的な数字やエピソードを交えることで説得力が増します。
3. 失敗や困難も正直に話す
成功体験だけでなく、失敗や困難をどう乗り越えたかを語ることで、人間味のある魅力的な回答になります。面接官は完璧な生徒ではなく、成長する可能性を持った生徒を求めています。
4. 大学での学びにつなげる
探究活動の経験を、志望学部・学科での学びにどう活かすかを具体的に述べることで、入学後の姿をイメージしてもらいやすくなります。
5. 熱意と謙虚さのバランス
自信を持って語ることは大切ですが、「まだまだ学ぶべきことがある」という謙虚な姿勢も示すことで、成長意欲の高さをアピールできます。
よくある失敗パターンと対策
面接でありがちな失敗パターンを知っておくことで、同じ轍を踏まないよう準備できます。
失敗1:成果ばかりを強調する
【問題点】
「賞を取った」「高い評価を得た」など、結果ばかりを話してしまう。
【対策】
成果よりもプロセスで何を学んだかを中心に話す。成果は添える程度に留める。
失敗2:専門用語を多用する
【問題点】
研究内容を詳しく説明しようとして、専門用語を連発してしまう。
【対策】
中学生でも理解できる言葉で説明する。必要な専門用語は簡単な説明を加える。
失敗3:準備した内容を棒読みする
【問題点】
暗記した内容をそのまま話し、会話にならない。
【対策】
キーワードだけを覚えて、その場で文章を組み立てる練習をする。
失敗4:他のメンバーの批判をする
【問題点】
グループ活動の苦労話で、他のメンバーの批判をしてしまう。
【対策】
困難は「状況」の問題として説明し、個人批判は避ける。
Study Valley TimeTactで探究活動を「見える化」する
面接で探究活動を効果的にアピールするためには、日頃からの活動記録が重要です。しかし、多くの高校生が「活動の記録が散らばっている」「成長プロセスが振り返れない」という課題を抱えています。
TimeTactが解決する課題
Study Valley TimeTactは、探究活動の全プロセスを一元管理できるプラットフォームです。具体的には:
- 活動ログの自動記録:日々の活動内容が時系列で整理される
- 成長の可視化:スキルの向上度合いがグラフで確認できる
- ポートフォリオ作成機能:面接資料として使える活動記録を簡単に出力
- リフレクション支援:定期的な振り返りを促す仕組み
面接準備に活用する方法
TimeTactを使えば、面接で聞かれる質問に対して、具体的なデータやエピソードをすぐに引き出せます。例えば:
- 「いつ、何をしたか」が明確に:活動ログから具体的な日付や内容を確認
- 「どう成長したか」を数値で示せる:スキル評価の推移をグラフで提示
- 「協働の様子」を具体的に説明:チームメンバーとのやり取りを振り返る
このように、TimeTactは単なる記録ツールではなく、探究活動を通じた成長を「ストーリー」として語るための強力な味方となります。
まとめ:探究活動を武器に変える面接術
総合型選抜の面接で探究活動について語る際のポイントをまとめます:
- プロセスと学びを中心に語る:成果よりも「どう取り組み、何を学んだか」を重視
- 具体的なエピソードで説得力を高める:数字や具体例を交えて臨場感のある説明を
- 成長ストーリーとして構成する:きっかけから学びまでの流れを意識
- 大学での学びにつなげる:探究経験を今後どう活かすかを明確に
- 日頃からの記録が鍵:TimeTactなどを活用して活動を可視化
探究活動は、総合型選抜においてあなたの可能性を示す最高の材料です。しっかりと準備をして、自信を持って面接に臨んでください。あなたの探究への情熱と成長の軌跡が、必ず面接官の心を動かすはずです。
【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。
現在、探究に関する無料相談会を開催中です。探究へのICT活用や外部連携にご興味ある方、お気軽にご連絡下さい。ご予約はこちら(2024年3月現在、問い合わせが急増しております。ご希望の方はお早めにご連絡ください)。
【企業のCSR広報ご担当者様へ】
CSR広報活動の強い味方!
探究教育を通して、学校と繋がるさまざまなメリットを提供しています。
まずはお気軽に「教育CSRサービスページ」より資料をダウンロードください。
また無料相談も可能です。些細なご相談やご質問、お見積りなど、お気軽にご相談ください。
【この記事の監修者】
田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。