探究のカンフル剤になる「出張授業」。生徒の視野を広げる外部講師の見つけ方・頼み方
探究学習を進めていると、生徒の興味関心が停滞したり、テーマ設定に行き詰まったりすることがあります。そんな時、外部講師による出張授業は、生徒に新たな刺激を与え、探究への情熱を再び燃え上がらせる「カンフル剤」となります。しかし、「どうやって講師を見つければいいのか」「どのように依頼すればいいのか」と悩む先生も多いはずです。本記事では、探究学習を活性化させる出張授業の企画から実施まで、具体的な方法を詳しく解説します。

【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。
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なぜ出張授業が探究学習の起爆剤となるのか
日々の授業に外部の風を入れることで、探究学習は大きく前進します。その理由と効果を見ていきましょう。
プロフェッショナルが語る「リアル」の力
教科書や資料では伝わらない現場の生の声には、特別な説得力があります:
- 実際の仕事や研究の苦労と喜び
- 失敗から学んだ貴重な経験
- 最新の業界動向や技術革新
- 社会課題の複雑さと解決への挑戦
- キャリアパスの多様性と可能性
これらの話は、生徒の「なぜ学ぶのか」という根本的な問いに答えを与えてくれます。
新しい視点がもたらす探究の深化
外部講師は、生徒や教員とは異なる視点を提供します:
- 思い込みや先入観への気づき
- 新たな切り口や分析手法の提示
- 異分野との意外な接点の発見
- グローバルな視野の獲得
- 理論と実践の橋渡し
モチベーション向上と主体性の醸成
特別な授業という非日常性が、生徒の学習意欲を高めます:
- 「本物」に触れる興奮と感動
- 質問したいという積極的な姿勢
- 将来の目標の具体化
- 探究テーマへの新たな関心
- 仲間との議論の活性化
効果的な外部講師の見つけ方:5つのアプローチ
適切な講師を見つけることが、出張授業成功の第一歩です。様々なアプローチ方法を紹介します。
1. 地域のネットワークを活用する
最も身近で協力を得やすいのは、地域の人材です:
- 商工会議所・青年会議所:地元企業経営者との橋渡し
- 市役所・教育委員会:地域人材バンクの活用
- PTA・同窓会:保護者や卒業生の専門性を活かす
- 地域のNPO・市民団体:社会課題に取り組む実践者
- 近隣の大学・研究機関:研究者や大学院生の派遣
2. オンラインプラットフォームの活用
インターネットを活用すれば、全国・世界の専門家とつながれます:
- 出前授業マッチングサイト:講師と学校をつなぐ専門サービス
- 専門家のSNS:TwitterやLinkedInでの直接コンタクト
- オンライン講演プラットフォーム:遠隔地からの参加も可能
- クラウドファンディング:講師料の資金調達も同時に
- 教育系YouTuber:動画クリエイターの活用
3. 生徒の興味から逆算する
生徒の探究テーマに直結する専門家を探す方法:
- 生徒の探究テーマをリストアップ
- 関連する業界・分野を特定
- その分野の企業・団体を調査
- 広報部門に教育連携の打診
- 具体的な講師の推薦を依頼
4. 他校の成功事例から学ぶ
近隣の学校や探究学習の先進校から情報収集:
- 教員研修や研究会での情報交換
- 学校HPの実践報告をチェック
- 教育委員会主催の事例共有会
- SNSでの実践報告の収集
- 講師の紹介や共同開催の提案
5. 企業のCSR部門にアプローチ
多くの企業が教育CSR活動に積極的です:
- 企業HPのCSRページをチェック
- 出前授業プログラムの有無を確認
- 業界団体の教育支援活動
- SDGs関連の取り組み企業
- 地域貢献を重視する企業
成功する依頼メールの書き方と交渉術
講師候補が見つかったら、次は依頼です。相手に快く引き受けてもらうためのポイントを解説します。
依頼メールの基本構成
ビジネスマナーを押さえた丁寧で具体的な依頼文が重要です:
- 件名:用件が一目で分かる具体的な内容
- 自己紹介:学校名、担当教科、簡単な学校紹介
- 依頼の背景:なぜその方に依頼したいのか
- 授業の概要:目的、対象、希望内容
- 具体的な条件:日時、場所、謝礼、準備物
- 生徒へのメリット:どんな学びを期待しているか
- 講師へのメリット:CSR活動、若者との交流等
- 今後の流れ:返答期限、打ち合わせ方法
【依頼メール文例】
件名:【〇〇高校】探究学習での特別授業のお願い(環境問題について) 株式会社〇〇 〇〇部 〇〇様 突然のご連絡失礼いたします。 〇〇高等学校で2年生の探究学習を担当しております〇〇と申します。 貴社の「〇〇プロジェクト」の記事を拝見し、本校生徒が取り組んでいる 「地域の環境問題」というテーマと深い関連があることから、 ぜひ〇〇様に特別授業をお願いしたく、ご連絡差し上げました。 【授業の概要】 ・日時:11月〇日(〇)14:00-15:30 ※別日程も調整可能です ・場所:本校多目的ホール(オンラインでも対応可能) ・対象:2年生 探究選択者 約30名 ・テーマ:「企業の環境への取り組みと高校生ができること」 【お話しいただきたい内容】 1. 貴社の環境プロジェクトの具体的な内容 2. 課題解決のプロセスと苦労話 3. 高校生へのメッセージとアドバイス 4. 質疑応答(30分程度) 生徒たちは現在、地域の河川汚染について研究しており、 実際に企業で環境問題に取り組まれている方のお話を 聞けることを心待ちにしております。 謝礼は本校規定により〇〇円をご用意させていただく予定です。 交通費は実費をお支払いいたします。 お忙しい中恐縮ですが、〇月〇日までに ご検討の可否をお聞かせいただければ幸いです。 生徒たちの学びに、ぜひお力をお貸しください。 何卒よろしくお願い申し上げます。 〇〇高等学校 探究学習担当 〇〇 TEL:〇〇-〇〇〇〇-〇〇〇〇 Email:〇〇@〇〇
交渉を成功させるコツ
依頼を快諾してもらうための交渉のポイント:
- 柔軟性を示す:日程、形式、内容の調整が可能であることを伝える
- 準備の負担を軽減:資料作成のサポートや、既存資料の活用を提案
- win-winを意識:講師側のメリット(PR効果、CSR実績等)も提示
- 生徒の熱意を伝える:事前学習の様子や質問リストを共有
- フォローアップの約束:授業後の感想文送付や成果報告を約束
出張授業を最大限に活かす実施のポイント
せっかくの機会を一度きりのイベントで終わらせないための工夫が必要です。
事前準備:生徒の期待値を高める
講師が来る前から、授業は始まっています:
- 講師のプロフィール紹介:経歴や実績を事前に共有
- 関連分野の事前学習:基礎知識の習得
- 質問の準備:グループで質問を考えさせる
- 仮説の設定:講師の話を聞く前の予想
- 役割分担:司会、記録、質問者等を決める
当日の運営:双方向性を重視
一方的な講演ではなく、インタラクティブな授業を目指す:
- アイスブレイクで緊張をほぐす
- 途中で小グループディスカッションを挟む
- 生徒からの質問時間を十分に確保
- ワークショップ形式の活動を組み込む
- 講師と生徒の対話を促進する
事後の展開:学びを探究に接続
出張授業の効果を持続的な学びにつなげる:
- 振り返りの時間:印象に残ったこと、新たな気づきを共有
- 探究テーマの見直し:講師の話を受けて、テーマを深化・発展
- 追加調査:授業で生まれた新たな疑問を調べる
- 成果の共有:他クラスへの発表や学校HPでの報告
- 継続的な関係構築:メールでの追加質問や進捗報告
Study Valley TimeTactで出張授業の効果を最大化
出張授業の企画から実施、その後の探究活動への接続まで、一連のプロセスを効率的に管理することが重要です。Study Valley TimeTactは、この課題を解決します。
講師データベースの構築と共有
TimeTactでは、これまでに協力いただいた講師の情報をデータベース化:
- 講師の専門分野と連絡先
- 過去の授業内容と評価
- 生徒の反応と学習効果
- 他校での実施実績
- 講師の空き状況カレンダー
この情報を学校間で共有することで、講師探しの手間を大幅に削減できます。
生徒の興味関心とのマッチング
TimeTactに蓄積された生徒の探究データを活用:
- クラス全体の興味関心の傾向分析
- 探究テーマに最適な講師の自動提案
- 過去の類似テーマでの成功事例
- 生徒の学習段階に応じた内容調整
出張授業の学習効果を可視化
授業の効果をデータで検証し、改善につなげる:
- 事前・事後のアンケート分析
- 探究活動への影響度測定
- 生徒の成果物の質的変化
- 長期的な学習意欲の推移
- 進路選択への影響
継続的な外部連携の仕組み化
単発の出張授業を継続的な連携に発展させる:
- 年間計画への組み込み
- 講師との定期的なコミュニケーション
- 生徒の成長記録の共有
- 次年度への引き継ぎ資料作成
- 地域全体での講師リソース共有
まとめ:出張授業が開く、探究学習の新たな地平
外部講師による出張授業は、探究学習に新しい風を吹き込む貴重な機会です。プロフェッショナルの生の声は、生徒の視野を広げ、探究への意欲を高め、学びを深化させる「カンフル剤」となります。適切な講師を見つけ、丁寧に依頼し、効果的に実施することで、探究学習は大きく前進します。
Study Valley TimeTactを活用すれば、講師の選定から授業の効果測定まで、すべてのプロセスを効率的に管理できます。出張授業を一過性のイベントで終わらせず、継続的な学びの機会として定着させることで、生徒たちの探究はより豊かで実りあるものになるでしょう。さあ、地域や社会とつながる扉を開き、生徒たちに新たな学びの世界を見せてあげましょう。
【高校の探究担当の先生へ】
当メディアを運営する私たちStudy Valleyは「社会とつながる探究学習」を合言葉に、全国の高等学校様へ、探究スペシャリストによる探究支援と、社会とつながるICTツール「高校向け探究学習サービス『TimeTact』」を提供しています。
現在、探究に関する無料相談会を開催中です。探究へのICT活用や外部連携にご興味ある方、お気軽にご連絡下さい。ご予約はこちら(2024年3月現在、問い合わせが急増しております。ご希望の方はお早めにご連絡ください)。
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【この記事の監修者】
田中 悠樹|株式会社Study Valley代表
東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社Study Valleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。