探究学習

Z世代マーケティングを完全解説!7つのポイントと国内事例5つを紹介

Z世代の購買傾向ってわかりますか?
Z世代をマーケティングするには何を理解すればいいですか?

私たち Study Valleyは、企業パートナーを探している学校と、教育支援を通じて学校とつながりたい企業をEdTechツールでマッチングし、子供たちに深い学びを提供するお手伝いをしています。

そこで企業担当者の方から、上記のような質問をよくいただきます。

この記事では「Z世代のマーケティング」をテーマに、Z世代の消費の7つの特徴とそれをふまえたマーケティングのポイント、国内マーケティング事例5つを解説します。

Z世代へのマーケティングの重要性が増しています。理由は、人口におけるZ世代の割合の増加です。

しかし、市場で存在感を増す彼らに、物やサービスをマーケティングする際、従来の手法では通用しません。なぜなら彼らの価値観はこれまでの世代とは大きく異なるためです。

この記事を読むことで、Z世代の消費行動を理解し、マーケティング戦略に役立てられるのでぜひ最後まで読んでみてください。

目次
Z世代へのマーケティングに力を入れるべき2つの理由
Z世代の消費の特徴とマーケティングのポイント
・ブランドを重視しない
・コスパを重視
・社会問題への意識が強い
・コト消費やリアルな体験を重要視する
・自分らしさを大事にしている
・共感・心動かされるものを好む
・SNSを活用して情報収集する
Z世代への国内マーケティング事例
・日本コカ・コーラ株式会社:TikTok事例
・ペヤング:YouTube事例
・AbemaTV:Twitter事例
・NOIN:オウンドメディア活用事例
・FUJIFILM:アナログ体験の活用事例
まとめ

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Z世代へのマーケティングに力を入れるべき2つの理由

Z世代へのマーケティングは、大きく以下の2つの理由から取り組む重要性が高まっています。

・Z世代の人口比率の増加
・Z世代に特有の価値観

Z世代は国連の統計によると既に世界人口の約1/3を占めており、今後も人口に占める割合はどんどん拡大していきます。日本では少子化の影響もあり、総人口に対して約10%がZ世代です。

しかし、Z世代は確実に今後の消費・労働力の中心になっていく世代です。今後の経済を動かしていく世代に対して、マーケティングを行うことは長期的な戦略からみても早くに取り組むべきです。

またZ世代へのマーケティングが必要な理由のもう一つが、価値観の変化です。

彼らはこれまでの世代とは大きく異なる価値観を持っているため、当然これまで培ってきたマーケティング手法は通じません。

Z世代の消費の代表的な特徴と価値観は以下のようなものです。


それぞれについての詳細は、こちらの記事もどうぞ。
>高校の先生に知ってほしい「Z世代」の特徴と彼らが社会に求めるもの

Z世代の消費の特徴とマーケティングのポイント

Z世代は価値観が大きく変化しているため、これまでのマーケティング手法を変化させる必要があります。Z世代は何を良いと思い、どう選んでいるのか?消費行動の特徴と、マーケティングのポイントを解説していきます。

ブランドを重視しない

Z世代はブランド名よりも本質的な価値を重視しています。

みんなが憧れる物や、高価な物がいい、という価値基準ではなく、自分が価値を感じるかどうかを大事にします。

好景気を経験せずに成長したために、経済感覚が堅実で、本当に自分にとって必要な物は?と考える傾向が強いことがその背景にあります。

マーケティングのポイント

・育ってきた経済環境の影響で堅実志向
・安価でも良いものを選ぶ
・ブランドより、自分らしさや個性を表現できるものを好む

コスパを重視

Z世代は堅実な経済感覚をもっているため、安価でも自分が納得できる価値があるものを選びます。

そのため、欲しいものを安く手に入れるため、メルカリなどのフリマアプリやオークションアプリも活用しています。新品を購入するのではなく、同じ機能・デザインであれば中古品を購入することにも抵抗がありません。

リユース品は手ごろな価格で手に入るうえ、環境問題に関心の強いZ世代には非常に理にかなっている買い物といえます。

また買い物で失敗したくないという傾向が強いため、口コミ評価など事前情報を入念に収集する傾向にあります。限られた予算の中で「自分に合っているか」「価格以上の価値があるか」をシビアに検討しています。

マーケティングのポイント

・安価でも自分が納得できる価値があるものを選ぶ
・コスト意識、環境意識からリユースにも抵抗がない
・口コミ評価など事前情報を入念に収集

社会問題への意識が強い

Z世代は東日本大震災に続く原発事故や、大型台風による水害などをリアルタイムで体験しているため、環境問題への意識が強いです。

テニスプレイヤーの大坂なおみ選手、環境活動家のグレタさんなどのインフルエンサーの存在や、その発言をリアルタイムで共有できるSNSがあることも、社会の問題を自分たちが解決していくべき問題と考える背景にあります。

また多様性やサステナビリティ、SDGsに関する教育を早くから受けており、Z世代の意識に影響を与えています。環境問題だけではなく、ジェンダー不平等や人種差別、貧困問題など社会に関わる全体の問題に関心があります。

これらの対応を怠ると、大規模な不買運動につながるリスクがあり、企業としてはサプライチェーンを含め、人権侵害や環境負荷の高いプロセスなどがないか検討する必要があります。

実際に、2018年には有名ファッションブランドの在庫焼却の是非をめぐって世界的な不買運動が起こっています。

マーケティングのポイント

・環境問題、社会問題に配慮した商品・サービスを選ぶ
・SDGsにも関心が高い
・配慮しない商品は、逆に不買運動につながるリスクも

コト消費やリアルな体験を重要視する

「モノ」を消費することで満足感を得るよりも、リアルな体験である「コト」に価値を感じるのもZ世代の特徴です。

お金をかける対象が商品や食べ物といった「モノ」ではなく、旅行や体験の結果得られる「コト」が重要なのです。

「コト」の体験はラグジュアリーな空間体験や非日常なイベントではなく、カフェ巡りやホテル女子会のような日常の延長にある体験も含まれます。

また商品を購入する場合でも、検討中の商品情報はSNSやインターネットで検索し、実店舗での購買や、それをSNSでシェアするまでの体験によって、購入するかを判断します。

オンラインを活用しながら、店舗で実際に商品を手に取るまでの体験づくりが重要となってくるのです。

マーケティングのポイント

・モノから「コト」消費へ
・ラグジュアリーな体験だけでなく、日常の延長にある体験も重視
・商品との接点から、来店・購買・使用・SNSシェアまでがひとつの体験として消費される

自分らしさを大事にしている

生まれた時からSNSやインターネットで世界中とつながれる環境にあったZ世代は、多様性を受け入れることが当たり前の価値観です。

自分に対しても他人との比較や競争ではなく、自分固有の価値観を優先する傾向にあります。個性や自分らしさを大事にしているため、パーソナルカラーなど自分の個性を活かすサービスが人気です。SNSでの発信も自分らしさを表現する内容が多い傾向です。

マーケティングのポイント

・個性や自分らしさが重要
・パーソナライズされた提案を好む

共感・心動かされるものを好む

Z世代は共感や、作りこまれていないリアルを大切にしています。

若者の言葉として流行した「エモい」はまさに、自分の感情や価値観の琴線に触れたものに対する表現です。

サービスを選ぶ際には、企業が環境に配慮した製品開発をしているなどのストーリーや具体的なビジョンに共感して選択する傾向があります。開発・制作過程そのものをビジネスにするプロセスエコノミーという言葉も生まれました。

作りこまれた物やPR色の強い企業からの押しつけを嫌う一方で、自分ごとに感じられるリアルなメッセージを好みます。

プロセスエコノミー関して詳しくはこちらもどうぞ
>高校生が100万円以上を調達!ファンを育てる「プロセスエコノミー」の威力

マーケティングのポイント

・「共感」「リアルさ」を求める
・完成品だけではなく、背景にあるビジョンやストーリーにも関心
・宣伝色の強いものは敬遠する

SNSを活用して情報収集する

Z世代にとっての検索や情報収集はSNSが当たり前になっています。

現代においてインターネットでの検索はどの世代でも一般的になってきていますが、Z世代は検索エンジンよりも、TwitterやInstagramでアカウントやハッシュタグを使って検索をしています。

リアルタイムで鮮度の高い情報を得る、友人と交流することはもちろん、購買において、インフルエンサーの勧めるものをチェックする、気になるコスメやサービスなどを買う前に口コミを検索する際にもSNSが使われます。

インフルエンサーに商品やサービスをレビューしてもらう、インフルエンサー・マーケティングという言葉も生まれました。

マーケティングのポイント

・スマホ、SNSが当たり前の世代(デジタル・ネイティブ、ソーシャル・ネイティブ)
・SNS対策は必須(検索エンジンよりSNSでハッシュタグ検索)
・インフルエンサーの発信や口コミもSNSでチェック

Z世代への国内マーケティング事例

ここではZ世代に向けた具体的なマーケティングの事例を紹介します。

Z世代を理解して、ツールやサービス、コミュニケーションを通じて取り組んだ各企業の事例をぜひ参考にしてみてください。

日本コカ・コーラ株式会社:TikTok事例

事例のポイント
・TikTokのハッシュタグを活用
・動画投稿でSNS拡散
・お手本としてインフルエンサーを起用
・話題になる特典

日本コカ・コーラ株式会社が2018年にTikTokのハッシュタグを活用したキャンペーンを実施しました。

このキャンペーンはTikTok上で「#リボンでありがとうチャレンジ」のハッシュタグをつけ、「リボンでありがとう」の楽曲を選んで動画を投稿するだけで、誰でも参加できるものです。

TikTokは人気動画をマネすることで拡散の連鎖が発生します。コカ・コーラのキャンペーンでもTikTokで人気のインフルエンサーを起用しお手本動画を用意することで、簡単に投稿できるよう促進しました。

また、賞品としてQUOカードが100名にプレゼントされる他、選ばれた受賞者1名は渋谷の屋外ビジョンで投稿動画が放映されるという特典が話題になりました。

自分の投稿が選ばれて公開されるという嬉しさや、コンテンツに参加する楽しさを用意することで自然とハッシュタグの拡散を狙った事例です。

ペヤング:YouTube事例

事例のポイント
・SNSで話題になるインパクト
・Z世代で流行の大盛シェアにマッチした商品開発
・有名YouTuberによる取り上げ

まるか食品株式会社は通常のペヤング焼きそばの約7.3倍もある、ペヤング史上最大級の商品を出したことで話題を集めました。

元々Z世代では仲間と大盛をシェアするという行為が流行していました。ペヤングの「ペヤング超超超超超超大盛やきそばペタマックス」は学校で友だちとシェアして食べている投稿がTikTokで人気となったことから広まりました。

さらに商品のインパクトから、有名YouTuberのHIKAKINさんやはじめしゃちょーさんが動画の企画として商品を取り上げています。SNSや動画の企画を真似する若者が増え、一気に広まりました。

SNSで話題になるようなインパクトのある商品をつくったことで、ユーザーやインフルエンサーによって拡散された事例です。

AbemaTV:Twitter事例

事例のポイント
・TwitterなどのSNSを活用
・TikTokでダンス動画の話題性アップ
・SNSから番組コンテンツへ流入させ視聴につなげた

株式会社AbemaTVの人気コンテンツ「今日、好きになりました。」の出演者による「今日好きダンス」が話題となった施策です。

視聴者層が女子中高生とZ世代であったため、ユーザー層の重なるTikTokの視聴者を増やすことを目的にしたプロモーションでした。

しかし最初はTikTokは使わず、公式のTwitterアカウントで「今日好きダンス」を作る過程を配信するなど、TikTok外のSNSで話題作りを始めました。十分な話題化の後、TikTok上で出演者によるダンス動画の投稿をし、一気にTikTok内でも話題となりました。

Z世代のトレンドを上手く活用し、SNSを複数連携させて目的のコンテンツ流入にまでつなげた事例です。

NOIN:オウンドメディア活用事例

事例のポイント
オンラインサイトをオウンドメディアとしても活用
公式SNSの運用
パーソナライズしたリアルなコミュニケーションを重視

ノイン株式会社が運営するオンラインサイト「NOIN」は、Z世代向けに化粧品を販売しています。ECをスタートして1年で累計流通額8億円を超える、急成長のメディアです。

オンラインサイトではSNSで話題になっている商品など、人気のコスメ情報をコラムとして紹介し、オウンドメディアとしても活用しています。また公式のInstagramアカウントやアプリも運営しており、多くのフォロワー・ユーザーと繋がりをもっています。

NOINのサービスの特徴はリアルなコミュニケーションです。ユーザーからの問い合わせにはテンプレートではなく、1件1件専属スタッフが対応しています。さらにオンラインショップで購入された商品には手書きのメッセージが添えられるなど、アナログなコミュニケーションを大事にしています。

オンラインサイトやSNSを総合的に活用したユーザーコミュニケーションに加え、アナログなコミュニケーションを重視している点がZ世代に支持されている事例です。

FUJIFILM:アナログ体験の活用事例

事例のポイント
・アナログ体験がエモさに繋がった
・海外のZ世代にも人気
・企業の商品PRポイントではない使い方がウケた

富士フイルム株式会社のインスタントカメラ「チェキ」はアナログ体験が世界中のZ世代で人気となっています。

90年代に販売されたチェキですが、韓国ドラマで使われたことをきっかけに若い世代で話題となりました。スマホのカメラやデジタルに慣れたZ世代からは、現像するまで何が撮れているかわからないアナログ感が「エモい」体験として人気になったのです。

さらにチェキは余白にメッセージを書くことでカメラとしてではなく、コミュニケーションツールとしてZ世代に使われていました。

カメラという「モノ」を売るのではなく、どう使えば楽しめるかの「コト」を提案するプロモーションに切り替え、ネット通販よりも雑貨店などのリアル店舗での販売を強化しました。またわざとらしい広告を避けるため、チェキが本当に好きなインフルエンサーからの発信にも力を入れています。

アナログのリアル体験がZ世代の心を動かし、一過性で終わらせることなくアナログとZ世代の特性を活かしたプロモーションを行った事例です。

まとめ

Z世代はこれまでの世代とは違う価値観で、自分らしさや多様性を大事にしています。

従来からある商品やサービスでも自分たちで新たな価値を見つけ出していることが特徴です。企業は機能や利便性の追求だけではなく、Z世代が何に価値を見出すのか、ストーリーや体験を提案していくことが求められているのです。

またZ世代はデジタル・ネイティブ、ソーシャル・ネイティブである一方で、リアルの体験を非常に重要視しています。インターネット上では体験できない価値やコミュニケーションを提供することも、Z世代の共感を呼ぶことにつながるでしょう。

今後のマーケティングを行ううえでは、Z世代の特性を理解しながらSNSやリアルを組み合わせて共感を呼ぶことが重要です。

参考リンク
>ジェネレーションZ、ミレニアルを来年上回る-変わる世界の人口動態(ブルームバーグ)
>Z世代は社会運動に積極的 10代の7割「参加したい」(朝日新聞)
>山口周さんに聞く「withコロナ時代のサステナビリティ経営」(日経ESG)
>SNSで情報を探す時代へ:「ググる」から「タグる」へのシフト
>ユーザーの心を掴むヒントは“ハイパー・パーソナライゼーション“にあり(Freshtrax)

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【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社StudyValley代表

田中 悠樹|株式会社StudyValley代表

東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社StudyValleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。