STEAMライブラリー

”自分のワクワク”を信じて突き進んでほしい!「宇宙」を通じて好きを究める探究を~株式会社リバネス~

*この記事は経済産業省「STEAMライブラリー未来の教室」のコンテンツ事業者様に、教材に詳しい内容や使い方のアドバイス、STEAM教育に対する思いなどを取材する連載企画です。

株式会社リバネス(以下、リバネス)は研究者で構成された組織であり、科学技術の発展と社会への実装を支援しています。STEAMライブラリーへのコンテンツ提供は2年目となり、今年は「ハッケンLENS 〜宇宙での“食”を開発し、未来を共に創るSPACE FOODSPHERE 編〜」というコンテンツをご提供いただいています。

今回のコンテンツでは、地球と宇宙の食の課題解決を目指すSPACE FOODSPHEREの活動を紹介しています。一見壮大なテーマですが、ワクワクしながら宇宙を学ぶことができるコンテンツです。

このコンテンツの使い方や込められた想いについて、リバネスの内山様と藤田様に、弊社代表の田中悠樹がお話を伺いました。

内山啓文様プロフィール


製造開発事業部/キャリアデザイン研究センター所属。産業技術大学院大学産業技術研究科創造技術専攻修了 修士(創造技術) 。専門は機械工学、人間中心設計、UXデザイン。 産業機械メーカーでのエンジニア経験と、デザイン会社での体験/サービスのデザイン経験を活かしながら、新規事業開発/試作開発/ベンチャー支援/次世代への科学・技術教育に従事。STEAM教育コンテンツ「ハッケンLENS」の開発を主導

藤田大悟様プロフィール


製造開発事業部/ものづくり研究センター長。東葛飾高校卒業後、ボーイスカウト富士章取得。東京工業大学ではウイルスの構造を研究し、2007年に修士(工学)を取得。2003年よりリバネスに参画し、教育事業を立ち上げ。現在は製造開発の傍ら、完全オンライン才能発掘研究所NEST LAB.を子会社として運営。

株式会社リバネス

株式会社リバネスは、「科学技術の発展と地球貢献を実現する」を経営理念に掲げ、科学技術を研究現場から社会へと橋渡しする事業を行っています。教育開発事業部、人材開発事業部、研究開発事業部などの7つの事業部があり、科学技術の社会への実装や、研究者の育成に尽力し、知識製造業を営んでいます。

リバネスはどんな会社なのか?

リバネスは専門の研究分野を持つ研究者だけで構成された組織で、「科学技術の発展と地球貢献を実現する」というビジョンに取り組んでいます。

リバネスの方々は「サイエンスブリッジコミュニケーター」として、様々な人や組織を科学でつなぎ、新しい知識を創り出す役割を担っています。

サイエンスブリッジコミュニケーションとは・・・先端の科学技術に関する正しい知識を身につけ、やりとりをする対象に合わせてわかりやすく伝えること。

例えば、研究機関と企業が連携しようとすると、双方で研究開発の時間軸の捉え方が違っていたり、共通言語がないためにコミュニケーションがうまくいかない、という課題が生じます。そこで、リバネスが間に入って、共通のビジョンを描き、研究とビジネス両方の観点を持つ強みを生かして、両者をつなぐ役割を果たすのです。

スタートは「教育事業」から

▲2001年12月15日、初の「出前実験教室」を実施。ここがリバネスの原点だそうだ(公式HPより)

現在、研究応援プロジェクト、創業応援プロジェクトなど様々な事業を展開するリバネスですが、そのスタートは「教育事業」です。

自分達の研究を子どもたちに伝えよう、と出前の実験教室を行うところから始まって、科学教育の実践を積み重ねるうちに、子どもだけではなく、大人にも、そして分野も超えて科学を伝えることができるのではないか、と事業が拡大していきました。

したがって、今回のSTEAMライブラリーコンテンツは、まさにリバネスの創業からの事業である教育事業のノウハウが詰まったもの、と言えそうです。ここからはコンテンツ制作に携わられた内山様と藤田様にコンテンツの特徴を伺います。

コンテンツの紹介

タイトル ハッケンLENS(レンズ) 〜宇宙での“食”を開発し、未来を共に創るSPACE FOODSPHERE 編〜
学年 中学、高校
キーワード テクノロジー、イノベーション、ベンチャー、研究開発、アントレプレナーシップ、フードテック、宇宙食、資源循環、宇宙開発
URL https://www.steam-library.go.jp/content/174

コンテンツの内容

『 ハッケンLENS 〜地球の未来をリアルテックベンチャーからのぞく〜 』は、ビジョンの実現と社会課題の解決を目指す起業家の軌跡を辿りながら、分野横断的に研究開発とその社会実装について学習できるSTEAM教育コンテンツです 本コンテンツは、ビジョンの実現と社会課題解決への熱意をもち、ゼロイチで研究開発テーマを立ち上げた起業家のインタビュー動画と体験型ワークを提供します。

今回は、宇宙における食料生産と食体験の実現という魅力的なビジョンを掲げることで仲間を集め、宇宙と地球の食問題の解決に向けた挑戦しているSPACE FOODSPHEREの活動を追体験していきます。

ワクワクと共感を起点とした「ビジョンドリブン」のコンテンツ

(田中)今年は「ハッケンLENS 〜宇宙での“食”を開発し、未来を共に創るSPACE FOODSPHERE 編〜」でご協力いただきました。今年のコンテンツで特に力を入れられたことなどをご紹介いただけますか?

(内山)ワクワク感や共感を起点にした「ビジョンドリブン」のコンテンツになっています。大人は課題からスタートする「課題ドリブン」で考えることに慣れていますが、子どもにとっては少し難しく感じられることもあります。それより、ワクワク感や共感をスタートにした方が、子どもたちにとって魅力的だと考えたからです。

子どもたちの関心を引くための最初の問いは?

(田中)その「ワクワク」を引き出す問いかけには、どのようなものが考えられますか。

(内山)「2040年には、誰もが宇宙に行く世界になるかもしれない」と伝えてみてはいかがでしょうか。今までは宇宙飛行士などの宇宙のプロフェッショナルだけが行く世界でしたが、これからは料理人やジャーナリストなど専門外の人も行く世界になり得ます。「あなたも宇宙に行くかもしれない」と伝えると、興味を喚起できると思います。私もそう聞くとテンションが上がります(笑)。

(田中)確かに、宇宙に興味がない人でも料理が好きなら、「宇宙ステーションには料理人も必要なんだけど、あなたが行くとしたらどう?」と聞くと、関心を持ちそうですよね。誰でも宇宙に行ける時代は、誰でも宇宙を探究できる可能性があるということですね。

全4コマからなる教材はそれぞれのタイトルが興味を引く問いかけになっています。こちらも参考にしてみてください。

ハッケンLENS(レンズ) 〜宇宙での“食”を開発し、未来を共に創るSPACE FOODSPHERE 編〜教材一覧▼
1コマ目:宇宙で“食”を楽しむことができるのか?
2コマ目:サラダを宇宙で食べられるのか?〜環境制御で実現する“植物工場”〜
3コマ目:ステーキを宇宙で食べられるのか?〜環境制御で実現する“培養肉工場”〜
4コマ目:宇宙にむけた研究開発から、今の地球の“食”問題も解決できるのか?

コンテンツはいつ使う?イントロダクションや学習のまとめに

▲宇宙という極限環境での暮らしを考えることを通じて「植物工場」「培養肉」といった最新技術や、「人にとって食とは?」などという人文的な問い、さらに、持続可能な社会の循環システムまで見通せる内容となっている(1コマ目:宇宙で“食”を楽しむことができるのか?より)

(田中)今回のコンテンツは、年間計画の中で何学期に使うのが良いでしょうか。

(藤田)「宇宙」は人間にとって極限のテーマです。課題もたくさんありますが、それだけ魅力もあります。その魅力に気づいていただきながら、学校の学習との関わりを知るきっかけもプログラムに仕掛けてありますので、他の学習のイントロダクションとして学年の最初に使っていただくのはどうでしょうか。

また逆に、いろんなことを学んだあとに、みんなの学びは宇宙を探究することにもつながっているんだ、という可能性を伝えるために使っていただいても良いと思います。

リバネスのお二人の探究テーマは?

(田中)「先生も探究しないと、子どもに探究を教えられない」とよく言われますが、お二人が個人的に探究されていることはありますか?

(藤田)どうすれば自ら探究したくなる人が生まれるのか、ということを探究しています。10年間でたどり着いた一つの答えは、とにかく「好き」を究めていくことが探究につながることと、そこに、自分が面白いと思うものを究めていいんだよ、と言ってあげられる大人がいることがとても重要だということです。適切なタイミングと方法で手を貸してあげられれば、小学生でも大学生レベルの探究ができると確信を持っています。

今回のコンテンツである宇宙も、どこまででも突き詰められるテーマのひとつです。一部の選ばれた人だけのものだった宇宙が、意外とたくさんの人が関わっていることを知ってもらい、自分も関われるかも、と思ってもらえたらこのプログラムは成功だと思います。

(内山)私は車椅子ベンチャーの支援に力を入れています。立ち上がることのできる機構を持った車いすの開発や、ユーザーと、どう接点を持ち、安全に使ってもらうかなど、体験の設計も含めて取り組んでいます。

私はもともと機械工学をやっていて、エンジニアとして働いていたときや、その後、大学院で学んでいたときに、作り手のやりたいことと、使い手のニーズとが、必ずしも一致しない場面を見てきました。そこで「人間中心設計(人を中心としたものづくり)」と出会いました。人間のニーズからものづくりをする、技術と人が重なる部分をしっかりと作りたいというパッションがずっとあったので。

(田中)ありがとうございます。さすが、リバネスの方の探究は密度が濃いですね!最後に、アピールしておきたい、想いやポイントを教えてください。

子どもたちへメッセージ「”自分のワクワク”を信じて突き進み、好きを究めよう」

(内山)子どもたちに言いたいのは、「自分のワクワク」や「こうだったら良いのに」というビジョンを基点に、振り向かずに突き進んだらいいよ、ということです。そうすることが、結果的に新しい技術を生むことや、課題解決につながります。

(藤田)とにかく、好きを究める人をどんどん増やせたら嬉しいですね。そのためにも、STEAMライブラリーを使ってほしいし、学校の先生方と一緒に、盛り上げていきたいです。

株式会社リバネスのSTEAMライブラリーコンテンツ一覧はこちら

参考:リバネス様のニュースリリースです。開発の背景などさらに詳しくご紹介されています。
>経産省「STEAMライブラリー」にリバネスが開発したSTEAM教育コンテンツ「ハッケンLENS 〜宇宙での“食”を開発し、未来を共に創るSPACE FOODSPHERE 編〜」が掲載されました

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この記事を書いた人:Study Valley 編集部
探究No.1メディア”Far East Tokyo”編集部です!執筆陣は、教育コンサルタント、元教員、教育学部大学院生など、先生方と同じく、教育に熱い思いを持つStudy Valleyのスタッフ陣です。子どもたちがわくわく探究する姿を思い浮かべながら制作しています!先生方のお役に立ちますように。Twitterフォローで記事更新情報が届きます。