探究学習

大学で探究型授業、PBL(プロジェクト型学習)を行う意義とは?

大学で探究型授業、PBL(プロジェクト型学習)を行う意義とは?

探究型授業、PBL(プロジェクト型学習)を行う大学が増えています。2022年度から高等学校で探究学習が必修となりました。高校に注目が集まりがちですが、「探究力」アップに力を注いでいるのは大学も同じです。

大学の入り口における取組みは、入試における「総合型選抜」の増加に表れており、入学後の大学教育においては「探究型授業、PBL」の実施が挙げられます。さらに大学を超えた取り組みとして、高校の探究学習支援などにみられる「高大連携」があります。

この記事では「探究型授業、PBL」の意義について解説します。また、期待される実施効果や、高校の探究学習との違い、企業における探究力評価についても紹介します。

参考:大学における探究型・プロジェクト型授業(PBL)16事例を紹介
参考:大学入試における探究力評価の導入ステップと、取り組み事例
参考:探究学習の成果で受験できる「探究型入試」の大学8選

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探究型授業、PBLを行う意義は「これからの社会を生き抜く力」

探究型授業、PBLを行う意義は、一言で言うと、「これからの社会を生き抜く力」と言えるでしょう。2013年、英国オックスフォード大学のマイケル・オズボーン准教授とカール・ベネディクト・フレイ博士は、米国において10~20年内に労働人口の47%が機械に代替可能であると試算し、世界に衝撃を与えました。ちょうど10年目の現在、ChatGPTが本格公開され、その性能に誰もが驚いてます。AIが人間の代わりを100%担うことはできませんが、少なくとも一部の仕事については、人間よりも高い能力を発揮しうることが誰の目にも明らかになっています。

さらに10年後はより多くの仕事がAIや機械に代わられ、まったく新しい仕事が生まれている事でしょう。

AIはビッグデータと学習により、与えられた問いに答える能力は高いですが、一方で、「問題発見」や、他者と協同的に行動し、課題を解決する力はありません。つまり「これからの社会を生き抜く力」には、これらの能力が必要なものとして含まれます。

参考:人口減少時代のICTによる持続的成長(総務省)
参考:なぜAI時代に問題発見の重要性が増すのか?(現代新書:講談社)

探究型授業、PBLとは、課題発見、課題解決型の学習

探究型授業、PBLとは、課題発見、課題解決型の学習です。つまり「これからの社会を生き抜く力」を養う力です。

高次のアクティブラーニングが探究型授業、PBLである

2000年代から教育の現場では「アクティブラーニング」が重視され、グループディスカッションやグループワーク、ジグソー法、リフレクションなどを通じ、主体的、対話的に学ぶことが知識の定着や思考力のアップに繋がるとされてきました。

引用:大学におけるアクティブ・ラーニングの検討(神山久美)

河合塾では、知識の定着・確認を目的としたアクティブラーニングに加え、高次のアクティブラーニングとして、専門知識を活用し、課題解決を目的としたアクティブラーニングを位置づけました。これを具体的に実施するのが、「探究型授業、PBL」です。

探究型授業、PBLの具体的な効果4つ

探究型授業、PBLを実施すると、具体的にどのような効果が期待されるのでしょうか。ここでは4つに分けて紹介します。

実践的な学びの実現

大学は、学生がより高度な知識やスキルを身に付ける場であり、将来のキャリアや社会貢献に向けて、より実践的な学びが求められます。探究型授業やPBLは、現代の社会問題や身近な地域課題など、現実の具体性があるテーマを扱うことが多く、実践的な学びを促し、学生の問題解決能力や実践力を高めることができます。

協働的な学びの実現

探究型授業やPBLを通じて、学生同士や教員、時には地域や企業の協力者と協働的な学びが求められます。探究型授業やPBLは、グループワークやチームワークを通じて、協働的な学びを促し、コミュニケーション能力やリーダーシップ能力の向上につながります。

自主性を養う

大学における教育では、学生が自主的に課題を発見し、学び続ける資質を養うことが求められています。探究型授業やPBLは、学生が自ら問題を探究し、解決策を模索することを促すため、自主性を育てる効果があります。

21世紀型スキルの育成

21世紀型スキルは、国際団体「ATC21s」によって提唱された、新たな時代に求められる能力・資質です。ATC21sは、世界各国の研究者250名が参加しており、変化が激しい社会において働く上で必要となる資質を明らかにすることを目的としています。思考の方法、働く方法、働くためのツール、世界の中で活きる、の4カテゴリー、10のスキルがリストアップされてます。

探究型授業やPBLは、自己主導的な学びや創造的な問題解決能力、グローバルな視野など、21世紀型スキルを養成することができます。

参考:OECD諸国で導入進む探究学習。追いかける日本に成功の展望はあるか?

高校の探究学習と大学における探究型授業、PBLの違い

2022年度から高等学校では探究学習が必修となっています。今後は高校での探究学習のさらなる充実が予想されますが、高校における探究学習と、大学における探究型授業、PBLの違いは何でしょうか。

探究プロセスの高度化

探究学習は、「課題の設定」「情報の収集」「整理・分析」「まとめ・表現」の4つのプロセスを繰り返す学習です。高校ではこのプロセスを知り、身に付けることから始まります。大学では、それぞれのプロセスに対し、より高度で正確な実践が求められます。

高い専門性

活用する知識においても高い専門性が求められます。探究学習では教科横断的に思考し、課題解決をはかることが求められますが、高校で学ぶ知識と大学の選考過程で学ぶ知識には専門性において大きく異なります。

教員の役割

教員の役割も変化します。高校では、いわば「探究初心者」である生徒に、探究のプロセスを丁寧に教え、そのために最適な課題を教員が与え、時には発表形式も細かく指定し…という負合いに、教員の関与度合いが高いのが通常です。大学においては、よりファシリテーターに近い立場で、探究内容に関して専門的なアドバイスを行ったり、フィードバックをおこなったりすることが重要です。

参考:「教えない」ファシリテーションが探究学習成功のカギ

企業における探究力評価もはじまっている

最後に、大学卒業後における探究力についても触れておきましょう。探究力が求められるのは、当然、アカデミックな世界だけではなく、企業においても同じです。

産業界へのアンケート結果においても、主体性や課題設定へのニーズが高まっています。

【参考】文系・理系ともに「課題設定・解決能力」がより高い順位となり(中略)IoTやビッグデータ、人工知能などをはじめとする技術革新が急速に発展する中、指示待ちではなく、自らの問題意識に基づき課題を設定し、主体的に解を作り出す能力が求められていることが示された。
引用:「学生に求める資質、能力、知識(文系)」アンケートより(経団連,2018年)

例えば、住友商事株式会社は、応募者の「独自性 」「創造性 」評価のため「デザイン選考」を実施しています。、オンラインセッション とデザイン思考ワークショップを通じて「本質的な課題を発見できる力」を評価、従来の選考ではアプローチできていなかった人材へのアプローチに成功し、優秀な学生の採用につながっています。

参考:変わりゆく総合商社の人材像創造性・独自性を見極める「デザイン選考」とは住友商事株式会社

まとめ

大学で探究型授業、PBL(プロジェクト型学習)を行う意義について紹介しました。

その意義は「これからの社会を生き抜く力」を養うこと。なぜなら、探究型授業、PBLによって、AIや機械には代替できない、課題発見、課題解決能力を身に付けることができるからです。さらにこれらの学習の効果をブレイクダウンすると、「実践的な学びの実現」「協働的な学びの実現」「自主性を養う」「21世紀型人材の育成」などが期待されます。

必修となった高校の探究学習との違いとして、あらゆる面で高い専門性が求められます。

企業においても探究力評価が始まっており、大学における探究型授業、PBLの重要性はますます高まっていくと考えられます。

参考:大学における探究型・プロジェクト型授業(PBL)16事例を紹介
参考:大学入試における探究力評価の導入ステップと、取り組み事例
参考:探究学習の成果で受験できる「探究型入試」の大学8選

参考:高大連携の意義とメリットを解説!連携による探究学習事例も
参考:「高大連携」の28事例を紹介&解説。高大接続をスムーズに

ABOUT ME
この記事を書いた人:Study Valley 編集部
探究No.1メディア”Far East Tokyo”編集部です!執筆陣は、教育コンサルタント、元教員、教育学部大学院生など、先生方と同じく、教育に熱い思いを持つStudy Valleyのスタッフ陣です。子どもたちがわくわく探究する姿を思い浮かべながら制作しています!先生方のお役に立ちますように。Twitterフォローで記事更新情報が届きます。

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【この記事の監修者】

田中 悠樹|株式会社StudyValley代表

田中 悠樹|株式会社StudyValley代表

東京大学大学院卒業後、ゴールドマンサックス証券→リクルートホールディングスに入社。同社にて様々な企業への投資を経験する中で、日本の未来を変えるためには子どもたちへの教育の拡充が重要であると考え、2020年に株式会社StudyValleyを創業。
2020年、経済産業省主催の教育プラットフォームSTEAM ライブラリーの技術開発を担当。
2024年、経済産業省が主催する「イノベーション創出のための学びと社会連携推進に関する研究会」に委員として参加している。