探究学習

探究学習とは?9テーマから基礎知識を徹底解説

私たちStudyValleyは高校の先生や塾の先生方へ、探究学習を効果的に行えるICTツールの提供や、コンサルティングサービスを行っています。

この記事は探究学習について基礎的な知識を得たい先生のための記事です。

探究学習の概要をつかむことで、探究学習の重要性と、学校現場での実施に当たり先生に必要最低限の知識を得てもらうのが目的です。

探究学習とは、生徒自らが問題設定を行い、情報を集め、分析し、答えを作り表現するというプロセスを繰り返す学習です。

VUCAと呼ばれる不安定な時代に必要な能力・資質を養うものとして、教育界、経済界からも注目されています。

一方で、現場の先生がたからは

ただでさえ忙しいので、詳しく調べている時間がない
メリットや指導方法、事例など探究学習のポイントを整理してほしい

などの要望が数多く寄せられています。

そこで、この記事では下記の9つのテーマに沿って、探究学習の基礎的な知識を解説します。

この記事で解説する内容
1.「探究」という言葉の意味
2.探究学習とは
3.指導要領の解説
4.探究が求められる時代背景
5.探究学習で身につく力
6.教員の役割
7.探究学習の計画
8.事例
9.生徒の声
● まとめ

項目によっては、参考記事のリンクも紹介していますので、さらに詳しく知りたい方は合わせてお読みください。

*探究学習についてお悩みの先生はStudy Valleyへご連絡ください。コンサルタントが現状をお伺いしアドバイスさせていただきます。相談料などは一切かかりません。

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1.「探究」という言葉の意味

探究学習で間違いやすいのは「探究」と「探求」。言葉の定義を簡単に確認しておきましょう。

探究は本質を探ること。探求は何かを探し求めること。

探究:物事の意義・本質などをさぐって見きわめようとすること、深くさぐりきわめること。事理をたずねきわめること。

探求:あるものを得ようとしてさがし求めること。さがし出して手に入れようとすること。
-Weblio辞書より

探究と探求はどちらも何かを探し求めることですが、「探究」の方はより物事を深く本質を捉えようとするニュアンス、「探求」は求めたいものがある程度明確になっているニュアンスを含みます。

与えられた答えのある課題ではなく、自ら主体的に課題を発見して取り組むことを重視する「探究学習」に「探究」がふさわしいことがよくわかります。

英語ではInquiryBasedLearningまたはProjectBasedLearning

探究学習は英語で「InquiryBasedLearning」と言います。これも生徒の好奇心や主体的な関与を重視することは変わりません。

「ProjectBasedLearning」という言い方もあります。日本語ではプロジェクト型学習と言います。こちらの方が探究学習(InquiryBasedLearning)よりも大きな概念です。
探究学習の方が、生徒の課題やテーマに関する興味・関心を重視する点や、よりプロセスを重視する点で違いがあります。

2.探究学習とは

探究学習は生徒自らが問題設定を行い、情報を集め、分析し、答えを作り表現するというプロセスを繰り返す学習です。

ここでは指導要領を紹介しながら、探究学習の特徴を総合学習やアクティブラーニングと比較しながらもう少し詳しく解説します。

キーワードは4プロセス、自分の興味・関心に基づいた課題、サイクル、社会との接点

文科省は「主体的・対話的で深い学び」を掲げています。探究の実施も、総合学習やアクティブラーニングと同じく、この大きな流れの上にあるものです。

探究の代表的な特徴として、下記の4つが挙げられます。

● 課題設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現というプロセスが明示されていること
● 自分の興味・関心に基づいた課題を設定すること
● 探究サイクルを繰り返していくこと
● 社会との接点が意識されていること

探究の具体的な4つのプロセス+評価と振り返り

指導要領に掲載されている探究学習の4つのプロセスと、その他に重要な「評価」と「振り返り」について説明します。

1.課題設定

探究する課題を設定します。課題の設定の仕方にはいくつかパターンがあります。指導要領の考え方に基づいた理想の課題設定は、生徒が自分の興味・関心にしたがって自由に決めることです。しかし、実際は難しい場合も多いので「国際」「進路」「SDGs」などのテーマを学校が用意して、その範囲で課題を設定させたり、探究に慣れないうちは課題も学校側が与えるパターンもあります。その場合は、生徒が興味・関心を持てるように、出会わせ方を工夫したり、調べ学習の時間を多めにとるなど工夫が必要です。

参考記事
面白い探究テーマを設定する具体的な方法
探究学習のテーマ・課題選びに失敗する先生が見落としがちな3つの視点

2.情報の収集

課題が決まったら、課題を解決する答えを作るための情報収集を行います。情報収集の手段は、図書館やインターネット検索が一般的です。実験を行ったり、学校の外に出て取材やフィールドワーク、体験学習を行ったりすることも情報収集に含まれます。

参考記事
探究学習「情報の収集/整理・分析」に使えるリンク集【無料】
探究学習で「図書館」を使いこなそう。学校・地域・大学・国会図書館の利用法とメリットを解説

3.整理・分析

情報を集めたら、そこから答えを作るために整理・分析を行います。「KJ法」や「マトリクス」など分析の手法を適切に指導することも必要です。グループディスカッションなどを効果的に行うことも検討してみてください。

4.まとめ・表現

探究の成果をまとめて、レポートやポスター、プレゼンテーション、時には作品といった形で表現します。このとき観覧者と対話が生まれることで、学びが深まり、批判的思考やメタ認知力が身につきます。

評価

探究学習の評価で一般的なのはルーブリックです。

ルーブリックを用いた評価

レポートや作品などの集積である「ポートフォリオ」を、ルーブリックを用いて評価する方法が一般的とされています。ルーブリックは、複数の評価の観点を、数段階のレベルに分けて評価するものです。

ルーブリックは複数の観点で多角的に評価できる、現状・目標を生徒と共有できるなどメリットもありますが、作成に時間がかかる、汎用的なスキルしか評価できないなどのデメリットもあり、導入する際は「何をどこまで評価対象とするのか」という検討が必要です。
あえて、振り返りを行っているか、記録をつけているか、報告しているかなど客観的に計測可能な観点のみを評価対象とし、能力・資質・意欲などの観点では評価しないパターンもありえます。

参考記事
探究学習の評価方法を紹介。特徴、メリット・デメリットも
探究学習で使える「ポートフォリオ評価」の重要性と実施のポイントについて解説
探究学習におけるルーブリック評価の重要性と作成の手順・注意点を解説

3.指導要領の解説

指導要領の探究学習の説明文を引用します。さきほど挙げた4つの特徴を意識しながら読んでみてください。

● 課題設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現というプロセスが明示されていること
● 自分の興味・関心に基づいた課題を設定すること
● 探究サイクルを繰り返していくこと
● 社会との接点が意識されていること

生徒は、①日常生活や社会に目を向けた時に湧き上がってくる疑問や関心に基づいて、自ら課題を見付け、②そこにある具体的な問題について情報を収集し、③その情報を整理・分析したり、知識や技能に結び付けたり、考えを出し合ったりしながら問題の解決に取り組み、④明らかになった考えや意見などをまとめ・表現し、そこからまた新たな課題を見付け、更なる問題の解決を始めるといった学習活動を発展的に繰り返していく。要するに探究とは、物事の本質を自己との関わりで探り見極めようとする一連の知的営みのことである。

引用:第2節 目標の趣旨(【総合的な探究の時間編】高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説)

日常生活や社会に目を向けた時に湧き上がってくる疑問や関心に基づいて、自ら課題を見付け→「自分の興味・関心に基づいた課題」「社会との接点が意識されていること」

①課題の設定②情報の収集③整理・分析④まとめ・表現の一連のプロセスをたどり、そこからまた新たな課題を見付け、更なる問題の解決を始めるといった学習活動を発展的に繰り返していく→「課題設定→情報の収集→整理・分析→まとめ・表現というプロセスが明示されていること」「探究サイクルを繰り返していくこと」

このように探究の特徴が表現されていますね。

次に、総合学習やアクティブラーニング、教科学習との違いを見ていきます。

総合的な学習の時間(総合学習)との違い

課題解決を通じて、自己の生き方を考えていくのが総合で、一方、探究はそもそも自己のあり方に基づいた課題を発見し解決することを目指します。ここが大きな違いです。

そのような課題設定には、自己のあり方をメタ認知的に捉えることが必要になり、より高度な能力・資質が問われます。もちろん、最初から全員がそのような課題設定ができるわけではありませんから、探究の初期には、まずは学校から与えられたテーマや課題を通じて自己の興味・関心を探るという段階が必要な場合もあるでしょう。

理想の目標が上がったが、実施は生徒の学習レベルに合わせて

このように、個々の現場レベルで考えると、総合的な学習に関して指導要領が求めるレベルの学習が必ずしも実施できているとは限らないのが現状だと思います。探究は総合よりも高度な水準が求められますが、あくまで理想の目標が上がったのであって、実際には生徒の学習レベルに合わせて適切なレべルからの実施、そこからのステップアップが求められていると考えられます。

アクティブラーニングとの違い

アクティブラーニングは「主体的・対話的で深い学び」を実現するために、生徒が能動的に学習参加できるような学習方法の総称です。グループワークやディスカッションやディベート、教え合い、表現活動(発表、作品作りなど)といった様々な方法があります。

アクティブラーニングの目的は、一言でいえばアクティブラーナー(能動的学修者)を育成することです。

探究学習も、「主体的・対話的で深い学び」を実現するゴールは同じです。したがってそのプロセスでも、グループディスカッションを行ったり外部への取材や発表を通じて対話的に学んだりと、アクティブラーニングの方法が取られます。

探究学習は、学習の一手法だということにとどまらず、探究のサイクルを繰り返すことに重点がおかれていることがアクティブラーニングとの最大の違いです。

アクティブラーニングの目的が「アクティブラーナーの育成」だとすると、探究学習の目的は「探究し続けるアクティブラーナーの育成」だと言えるかもしれません。

参考記事
アクティブラーニングと探究学習の違い・共通点・先行事例の活用方法を解説

4.探究が求められる時代背景

文科省が「探究学習」によって、能動的に課題を発見し、学び答えを作っていける能力・資質を持った人材を育成したいことはよくご理解いただけたと思います。それではなぜいま、そのことが求められているのでしょうか。

それは、VUCAと呼ばれる不安定な時代に、そのような能力・資質が求められているからです。

VUCAの時代に必要な「探究」

VUCA(ブーカ)とは、「Volatility(変動性)・Uncertainty(不確実性)・Complexity(複雑性)・Ambiguity(曖昧性)」の頭文字を取って作られた言葉です。つまり、変化が激しく予測不可能であり、複雑化した社会の様子を表しています。

人類はこれまで、生活を一変させてしまうほどの大きな変化(波)をたびたび経験してきました。農業革命、産業革命、情報革命などです。しかもその大変化の波の間隔はどんどん狭くなるばかりです。次には「デジタル革命」という第四の波が来るともいわれています(アメリカの未来学者アルブン・トフラーによる)。そのような変化の時代においては与えられた問いに答える力だけではなく、自ら問題を設定し、解決していける力が求められます。

ヨーロッパではキー・コンピテンシー、アメリカでは21世紀スキルに注目

世界でも、時代に必要な能力・資質を検討し教育に生かす試みが行われています。代表的なものは以下の2つです。

・キー・コンピテンシー
・21世紀型スキル

キー・コンピテンシーは、OECD(経済開発機構)によって2003年に提唱され、以下のような枠組みが示されました。

21世紀型スキルは、国際団体「ATC21s」によって提唱された、新たな時代に求められる能力・資質です。ATC21sは、世界各国の研究者250名が参加しており、変化が激しい社会において働く上で必要となる資質を明らかにすることを目的としています。そして、21世紀型スキルとして以下の10の能力が示されました。

思考の方法
①創造性とイノベーション
②批判的思考、問題解決、意思決定
③学び方の学習、メタ認知

働く方法
④コミュニケーション
⑤コラボレーション(チームワーク)

働くためのツール
⑥情報リテラシー
⑦ICTリテラシー

世界の中で活きる
⑧地域とグローバルのよい市民であること(シチズンシップ)
⑨人生とキャリア発達
⑩個人の責任と社会的責任(異文化理解と異文化適応能力を含む)
(出典:『高校教員のための探究学習入門』 p.6)

キー・コンピテンシーは主にヨーロッパ、21世紀スキルは主にアメリカで、教育に生かす取り組みが行われています。日本においては、総合や探究学習がまさにこれらの能力・資質を育成するものとして期待されています。

OECDの評価

OECD教育長のシュライヒャー氏は日本の教育を評価して以下のように述べています。

過去15年の日本の学力向上は総合学習の成果だと考えると説明がつく

と、これまでの総合学習を一定程度評価する一方、

様々な知識や情報を自分で関連付けて学ぶ生徒は少なく、日本は下位グループだ。(中略)
シンガポールや上海では、総合学習のような探究的学習を日本以上に優先してやっている。その結果、生徒が主体性や独創性を発揮し、失敗から学ぶ時間的な余裕もできた。

としています。これからの探究学習の成果に期待がかかります。

5.探究学習で身につく力

探究学習では具体的にどのような能力・資質が身につくのでしょうか。少し具体的にみていきます。

1.主体的に考えて課題設定する力

生徒は探究のプロセスを通じて、自分にとって、社会にとって意味のある問いについて考えることにより、主体的に課題設定する力が身につきます。

2.課題解決に必要な情報収集力

課題を解決するために生徒たちは図書館、インターネット、フィールドワークや取材、実験といった方法で情報収集を行います。情報の取捨選択、情報源の信頼性の確認といった情報リテラシーや、様々な立場の人から多様な情報を得る大切さを学ぶことができます。

3.情報を整理・分析して答えを作る力

探究ではあらかじめ答えが決まっていない問いに取り組みます。そのためには教科で学んだ知識や、集めた情報を整理・分析し、関連づけたり再構築したりして、新しい答えを導き出す能力を育成できます。

4.対話的に学ぶ力

探究では「対話」も重要なキーワードです。探究を協働で行う場合もありますし、一人探究でも「まとめ・表現」のプロセスでは発表やプレゼンテーションを通じて他の生徒や観覧者からフィードバックを受けることで、対話的な学びを行います。対話を通じて、批判的思考やメタ認知能力が身につき、自分とは違ったものの見方、考え方を受け入れる大切さも学べます。

6.教員の役割

探究学習はプロセスも身につく力も、これまでの教科学習と異なる点が多いことが分かると思います。当然、先生の生徒への関わり方も変わってきます。特にコーチ、ファシリテーターとしての役割が重要になります。

教員の7つの役割

先生には多くの役割があります。例えば以下のようなものです。

● リーダー・講師(一方向的に教える、指導する。伝統的な役割)
● コーチ(コーチングにより自発性を促す)
● ファシリテーター(傾聴し、意見を引き出す)
● カウンセラー(相談役)
● コメンテーター(必要に応じてコメントする)
● 観察者(観察するがコメントはしない)
● 不在者(その場から物理的にいなくなる)

上に行くほど介入的、下に行くほど放任的になります。この「介入と放任」のバランスが大切になります。

コーチ、ファシリテーターが特に重要

探究に臨む先生の不安の一つに、「専門外のことを生徒に相談されてもわからない」というものがあります。

しかし、長年探究に取り組んでいる学校では、先生があまり「教えてはいけない」「教える必要がない」ということが定説となっていることをご存じでしょうか。

探究の現場では伝統的な教師の役割である「リーダー・講師」ではなく、「コーチ」「ファシリテーター」としての役割が求められています。それには大きく2つの理由があります。

理由1.生徒に主体性を発揮させるため

一つは生徒に主体性を発揮させるためです。先生が「リーダー・講師」のままだと、生徒が受け身になってしまい、自ら探究のサイクルをまわしていく意欲を意図せず削いでしまう恐れがあります。あくまでも主体が生徒となるように、先生はサポート役に徹することが重要です。

理由2.テーマが教科の専門を超え多岐にわたるため

もう一つの理由は、先生はそもそも専門外のことを教えられないからです。探究のテーマは多岐にわたります。先生の教科の専門外のテーマを設定する生徒も多く出てくるでしょう。そうすると先生は専門的なアドバイスができません。しかしそれでいいのです。調べることは生徒自身が行えばいいからです。また、専門的なアドバイスについては、教科横断的にいろんな先生との協力体制を作る、外部の専門家に頼る、という選択肢もあります。

それでは、先生は生徒に相談されたら具体的に何をすればいいのでしょうか。

役割1.思考の整理

ひとつは思考の整理です。生徒が行き詰って悩んでいる場合、そもそも何につまずいているのか、生徒自身が分からないこともよくあります。生徒と話しながら、生徒の思考を整理して問題点に気づかせてあげることも先生の果たせる大きな役割です。

同じことがグループにも言えます。話し合いがまとまらない、議論が堂々巡りになる、ということは大人でもありますよね。そのようなときに議論に一時的に入って、客観的な立場から話を整理したり方向性を確認したりすることは先生にしかできないことです。

役割2.プロセスを確認しヒントを与える

例えば、情報収集はどれくらい行ったか?他に情報が得られそうなところはないか?分析はどのような方法を試したか?他にも有効な分析の仕方はないか?というようにプロセスの正しさや妥当性を確認し、ヒントを与えることで、生徒が打開策に気づく場合があります。「答え」を与えるのではなく、答えに近づくためのアシストをするイメージです。

7.探究学習の計画

実際に探究学習を設計しなければならい時の手順を簡単に紹介します。

年間計画とコマ数を確認
まず年間のコマ数を確認して、探究に割ける時間数を確認しましょう。

事例を見てイメージをつかむ
はじめて探究を行う場合は、漠然としてイメージがつかみづらいと思うので、事例などを複数みて、イメージをつけましょう。ヒントも多く見つかるはずです。

目標設定(生徒の学習レベルに合わせてレベル感を設定)
具体的な検討に入ります。目標設定には学校の目標に準拠するのはもちろんですが、より具体的な目標は、生徒の学習レベルに合わせてレベル感を設定すると決めやすくなります。

①課題の設定②情報の収集③整理・分析④まとめ・表現のそれぞれにおいて、教員中心に行うのか、生徒中心で行うのかによってレベル感をおおまかに調整することができます。教員中心にすると易しく、生徒中心にすると難しくなります。

例えば、生徒が関心を持ちやすく、情報も多い課題を教員があらかじめ設定すると、生徒は探究を進めやすくなります。発表形式も指定しておけば、生徒は表現方法を考える必要がありません。一方でそうすると生徒の主体性や創造性が発揮されにくいというデメリットもあります。

探究がはじめての高校1年生などはある程度教員中心におぜん立てをして探究を実施し、学年が上がって慣れてきたら徐々に生徒中心の探究へシフトするのがオーソドックスなやり方です。

学校で協力体制を作る
ここまでくると、具体的なカリキュラムづくりに近づきます。このあたりの段階で、学校での協力体制を作ることができるとさらに良い授業につながります。もちろん、探究を設計している先生の負担も軽減できます。どんな具体的な内容にするかの議論、教科を超えて生徒の質問に答える仕組みづくり、ノウハウの共有など、学年や学校で協力体制が作ることができれば理想です。

8.事例

探究学習が必修化されるのは2022年からですが、これまでにもいち早く探究に取り組んできた学校があります。その先行事例をぜひ参考にしてください。

参考記事
探究学習の事例が見たい!43の事例を集めました【総合・教科+海外も】

9.生徒の声

探究を経験した生徒の感想をいくつか紹介します。

総合探究・アニサキスの生態探究の感想

「アニサキスと出会えていなかったら、全く違う人生だったと思います。自分はこれを強みというか個性にして生きてきたと思うので、友人関係や自信や行動力という部分で違ったと思います」
「自分で考えて研究してきた積み重ねが、今の自信にもつながっているなと感じています」

*この探究をされた松下竜大さんは、このアニサキス探究で日本学生科学賞・県知事賞(最高位)を受賞

参考記事
アニサキス探究で慶應義塾大学SFCへ。探究の喜びを分かち合える仲間と出会えた~松下竜大さん~

進路キャリア探究・15年後の「私」ポスターセッションの感想

「知らない人とも積極的に話し合える力がついたと思う。事業所訪問の最初の打合せの時、あまり喋れなくて、話が進まなかったので、自分から「こうするのはどう?」と積極的に案を出すように心がけた。そしたら班の人たちとも徐々に話せるようになり、ポスターもしっかり完成できたので良かった」
「協調性が格段に上がり、他者と協力するのに抵抗なく、相手の意見と自分の意見の対立も、ベストな案を出して解決できた」

参考記事
【解説あり】キャリア・進路の探究学習事例5つを紹介

地域探究・防災マップ作りの感想

「地図を作成することで防災ということに関心が高まったし,災害があったらと考えながらできとても良かった」
「協力しながらみんなの意見を聞きながら作成できた」
「1人1人役割分担をして時間を有効に使わないとダメだと思った」

参考記事
【解説あり】地理探究の学習事例5つを紹介

地域探究・諏訪地方フィールドワークの感想

「現地を訪れてあらためて感じたのは,食文化にしても,商店街の活性化策にしても,それが形成されるのには,必ず背景があるのだということだ.これまでも何となく理由があるのだとは思っていたが,このように特定の地域について,詳しく事前調査し,実際に訪れることでそれがよくわかり,地域への興味や愛着がわいた」

参考記事
【解説あり】地理探究の学習事例5つを紹介

実地での体験や、仲間との協働を通じ、とくには失敗も経験しながら、深い学びを行い、人間的な成長にもつながっていることが伺えます。

まとめ

探究学習の基礎的な知識について解説しました。これから探究学習に取り組む先生方にとっては新しい取り組みで大変なことも多いと思いますが、最後に紹介した生徒の感想でわかるように、探究学習を通じて生徒は大きく成長します。実践できるところから、探究学習を進めていきましょう。


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代表:田中
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